フライパンひとつで作れる<ローストビーフ>「柔らかな食感と旨み、秘訣は蒸し焼き」名店のシェフが考案!
年末年始に家族や友達と食べたいのが肉料理。中でもスペシャル感が演出できるローストビーフは欠かせない。そこで、東京・表参道にあるローストビーフ専門店『37 Roast Beef』の小林大シェフに、フライパンひとつで作れるローストビーフのレシピを考案してもらった。お店の味を自宅で再現できるよう苦心したというシェフ渾身のローストビーフ、是非作ってみて欲しい。
教えてくれた人
小林大さん/『37 Roast Beef』シェフ
店では、風味豊かで赤身と脂のバランスがよい赤城牛の希少なもも肉“芯々”や、繊細な肉質で濃厚な旨みが特徴のUS産リブロースを使ったローストビーフが楽しめる。
専門店に学ぶ「ローストビーフ」コツは”蒸し焼き”
『37 Roast Beef』は2016年のオープン以来、良質な牛肉を使ったローストビーフ専門店として人気を集めている。
店舗で提供されるローストビーフは、肉の表面を焼きつけた後、専用のオーブンで約6時間かけて焼き上げるという。今回は、柔らかな食感と中心まで旨みを感じられる絶妙な焼き加減を、フライパンひとつで実現してもらった。
「一番のポイントは、肉の中心部を最適な温度に保ちつつ、レアな状態に焼き上げること。店ではベストの54℃になるよう機械でコントロールしているので、フライパンでの再現は難関でした(笑い)。
“ステーキ”になってしまうので、家庭では焼きすぎに注意。試行錯誤の結果、香味野菜の上に肉をのせて水を加え、弱火で蒸し焼きにすることで加熱のし過ぎを防止。肉の厚さにもよりますが表裏を6分ずつ加熱した後、余熱で火を通すことでかなり店の味に近づきました」(小林大さん・以下同)。
フライパンで作る「ローストビーフ」レシピ
フライパンひとつで作れるローストビーフレシピを小林シェフに教えてもらった。
<材料> 作りやすい分量
牛もも肉…300~500g
塩…3~5g(肉の1%分)
玉ねぎ・にんじん…各1/3本
セロリ…1/2本
にんにく…1片
油…大さじ2
水…1カップ
1. 塊肉は必ず室温に戻しておく
中心まで火が通りにくくなるため、肉は1時間ほど室温におき、塩を擦りこむ。「赤身肉に程よい脂がのり、冷めても硬くならない牛もも肉がおすすめ」。野菜は薄切りにする。
2.すべての面を焼き肉汁の逃げ道を塞ぐ
フライパンに油を熱し、肉を入れたら、表裏と側面を強火で焼く。焦げやすいので多めの油を使う。焼き色がつくまで焼きつけ、旨みと肉汁を閉じ込める。
3.野菜のクッションの上で蒸し焼きにする
肉を取り出し、野菜を炒める。しんなりとしたら肉をのせ、水を加える。「香味野菜を敷いて蒸し焼きにすることで、風味をつけつつ、火が入りすぎて肉が硬くなるのを防止します」。
水が沸いたら弱火にしてふたをする。6分間蒸し焼きにしたら、上下を返してさらに6分間蒸し焼きに。水は野菜が浸るくらいまでを目安にキープして、少なくなったら加えるようにする。
4. アルミホイルで巻いて余熱で火を通す
肉を取り出しすぐにアルミホイルで包み、30分間おいて余熱でじっくり火を通す。「熱が中心までゆっくり伝わり、柔らかな食感に仕上がります」。ホイルに残った肉汁は、ソースに使うため、捨てずにとっておく。
5. 厚さ、焼き加減は好みで変えられる
好みの厚さにスライス。「厚めに切れば豪華に。中心の焼き加減も好みですが、さらに加熱したいときは電子レンジで軽く温めてください」。