ケアマネジャー(介護支援専門員)の役割と選び方|ケアマネをどう選ぶかで介護は変わる
久しぶりに顔を合わせた親が、予想以上に小さく、弱々しくなっていた―。
総人口に占める65歳以上の割合が30%に迫るなか、「老親の介護」は国民の一大関心事となっている。もし介護の問題に直面した時、頼るべき指針とは何か。それを教えてくれるのが、「ケアマネジャー」という頼もしい存在だ。そもそもケアマネジャーとは?その役割や選び方を介護に詳しい専門家に教えてもらった。
→ケアマネジャーってどのような存在?【プロが教える在宅介護のヒント】
介護良し悪しを左右するケアマネの存在
「介護を受ける本人も、その家族も、最初はどんな介護サービスや行政サービス、地域ボランティアがあるか知らないのが当たり前です。そこで登場するのがケアマネジャーです。介護のプロである彼らは、介護計画を設計し、同時にそれがしっかり機能しているかをチェックする。適切なケアマネ選びができないと、要介護者のためにも家族のためにもならない。介護の“良し悪し”を左右する鍵は、ケアマネが握っています」
下の図では、要介護認定を受けてから、ケアマネを決定し、介護がスタートするまでの流れを示した。
在宅介護の場合、要介護認定を受けたらまず、地域包括支援センターや自治体の保健福祉課窓口で、居宅介護支援事業所のリストを手に入れる。各事業所の特色やケアマネの特長を確認したうえで、事業所と契約する。そしてケアマネがケアプランを作成すれば、介護がスタートする。
ケアマネは介護を受ける人はもちろん、家族と介護サービスの事業者との調整役だ。
ケアマネがいなくても介護計画を立ててサービスを利用することは可能だが、専門家でない人間が無数のサービスの中から、適切なものを選択するのは不可能に近い。「まずケアマネを立てる」―これがストレスなき介護の必須条件だ。
ケアマネジャーの主な役割
・ケアプラン(介護計画書)の作成
・要介護者、家族の不安・問題点の抽出
・利用者への適切なサービス事業者の紹介
・訪問介護、通所介護利用の調整
・介護給付費の管理
・配食サービスや安否確認サービスといった介護保険外サービスの案内