犬や猫が食べると危険な食材リスト13選「アボカド、マスカット」なぜ有害か専門医が解説
人間に害はなくとも、犬や猫には有害な食材があるのはご存じだろうか。食べるだけで重篤な状態に陥ることもあるという。食べさせてはいけない「NG食材」がある。“食べたら即死”とまではいかないが、下痢や嘔吐などの症状を起こしやすいという。専門家に解説いただいた。
教えてくれた人
須崎動物病院院長 須崎恭彦さん(※崎は「立さき」ですが、本記事では「須崎」さんと表記します)
東京農工大学獣医学科卒業。「薬に頼らないで体質改善」をモットーに、食事療法やマッサージなどを活用し、犬や猫の治療を行う。主な著書に『電子レンジで簡単! 犬の健康ごはん』『はじめて作る 猫の健康ごはん』(共にマイナビ出版)など。
「犬・猫が食べると危険な食材がある」理由を医師が解説
人間とほぼ同じ食材が食べられるといっても、犬や猫と人間とでは体の構造が違う。そのため、人間が消化・分解できても、犬や猫にはできない食材がある。それが次に紹介する食材だ。
「もし食べさせた場合でも、経過を観察して問題がないなら大丈夫。嘔吐、けいれんなどがあり、明らかにおかしいときは、すぐに獣医師の診察を受けてください」(須崎動物病院院長 須崎恭彦さん・以下同)
特に塩分には要注意だ。
「犬や猫にもナトリウムは多少必要ですが、摂りすぎると血圧が上昇し、腎臓や心臓に大きな負担をかけてしまいます」
つまり人間と同じ味付けのものはNGだ。犬も猫も食事は香りで味わうため、かつおぶし、煮干し、昆布などのだし汁を仕上げにかけるといいという。
「水1Lに対し、だしの素材となる食材を約20g入れて、冷蔵庫で一晩置いて作る“水出しだし汁”を料理にかけると、食いつきがよくなるケースが多いです」
ただし、市販の顆粒だしは塩分量が多いため、使わないこと。
食べさせてはいけない食材リスト
■アボカド
ペルシンという成分が、下痢や嘔吐、呼吸困難などの原因に。
■ねぎ類
アリルプロピルジスルファイドという成分が溶血性貧血を起こす。
■マスカットほかぶどう類
急性腎不全を引き起こす可能性がある。
■あんずやももの種子、青い実のもも、青梅
呼吸困難や嘔吐、けいれんなどを起こすアミグダリンを含む。
■チョコレート
テオブロミンという成分を分解できず、急性心不全に。
■唐辛子
辛み成分・カプサイシンが胃を荒らし、下痢を起こす。
■ナッツ類
特に犬はマカデミアナッツに注意。強い中毒症状を起こす。
■じゃがいもの芽
ソラニンという成分が嘔吐やめまいなどを引き起こす。
■鶏肉などの骨
のどに刺さったり、胃や腸に刺さると、腸閉塞などを起こす。
■カフェイン
中枢神経を刺激し、不整脈やけいれん、失禁などを起こす。
■キシリトールなどの人工甘味料
嘔吐や下痢、ふらつきの原因になることも。
■アルコール
意識障害のほか、心肺機能に影響を与えることもある。
■加工肉
塩分過多で高カロリー。肥満や糖尿病、高血圧などの原因に。
取材・文/前川亜紀
※女性セブン2023年11月16日号
https://josei7.com/
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