うさぎ・ヘビ・メンフクロウ・カメと触れ合おう!親子で学びたい「小動物の正しい抱き方」【専門家監修】
行楽シーズンが到来!動物園や公園などで動物と触れ合う機会も増えてくるはず。小動物は犬や猫と違って抱っこに不慣れなので、不注意な抱き方で死んでしまうことも。小動物専門の獣医師・山崎貫太さんに、うさぎやヘビなど自宅でも飼える小動物の正しい抱き方を聞いた。
「うさぎ」の正しい抱き方
「うさぎは関節が弱く、脚をバタつかせるだけで脱臼したり、飛び跳ねて着地に失敗した際、死に至ることも。抱っこに慣れていない子は、抱き寄せて顔を隠してあげると安心します」(山崎さん・以下同)
うさぎの横にひざまずき、わきに手を入れる。胸を支えながらゆっくり持ち上げ、もう片方の手を尻に添え、自分の体にうさぎの背中を引き寄せるように抱く。抱っこに不慣れなうさぎは片手で胸、片手で尻を支えつつ、自分のわきにうさぎの顔が埋もれるように。
【NG例】
尻を支えず後ろ脚をブラブラさせると、うさぎの自重で首まわりに負担をかけ、最悪死に至ることも。前脚や耳を持つのもNG!
「モルモット」の正しい抱き方
「モルモットの抱き方は、基本的にうさぎと同じ。ただし、手足が細いので、暴れているのに無理して抱くなどすると、骨折する可能性が高いので気をつけましょう」
【1】モルモットの横にひざまずき、わきから手を入れて胸を支える。
【2】ゆっくりと持ち上げると同時に、もう片方の手を尻に添える。
【3】モルモットの背中を自分の体に引き寄せると安心させられる。
「カメ」の正しい抱き方
「噛みつくタイプのカメもいるので、口まわりに手をかざさないように気をつけましょう。特にすっぽんは噛みついてくるうえ、首が長いので、甲羅の後ろの方を両手でしっかり持つのがおすすめ」
甲羅の横から持つ。小さい場合は片手でもいいが、噛みつくタイプや大きなカメの場合、足や首が届かない甲羅の後方を両手で持つ。
【NG例】
裏返しに持つのはNG。カメには骨がないため、裏返しにすると肺がつぶれて死んでしまうことも。
「メンフクロウ」の正しい抱き方
体長は35~40cmで寿命は15~20年ほど。慣れると手のりになるが、ストレスに弱く夜行性なので飼育は難しい。「最近人気ですが、しっかりと勉強してから飼ってほしいですね」。
メンフクロウの爪は鋭い。こまめに切らないと、脚の裏に刺さってバイ菌が入り、趾瘤症(しりゅうしょう)という病気になることもあるので注意が必要だ。
写真のメンフクロウは山崎さんが飼育しており、爪切り済みで慣れているため素手でとまらせているが、猛禽類は基本、爪が鋭くとがっているため、手にのせる際は革手袋を装着すること。激しいスキンシップはストレスになるので要注意。
「ヘビ」の正しい抱き方
今回紹介するのは、毒のない「ミルクスネーク」(全長1m前後、写真上)と、ニシキヘビの一種「ボールパイソン」(全長1~1.5m、同下)。ともにおとなしくヘビ飼育の入門種として人気が高い。
「毒ヘビは噛まれないようにするため頭だけ持ちますが、このタイプは無毒なので、指や腕に這わせて大丈夫」
スローロリスの正しい抱き方
スローロリスは猿の仲間で全長26~38cm。国際希少野生動植物種のため、ペットとして飼うには、環境大臣への登録が必要。「ストレスに弱いため飼育には最大の注意を」。
「抱くというより、指や腕につかまらせる感じです」。
ハーネスや胴輪をつけて落ちないようにすること。
※スローロリス属全種は、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(平成4年法律第75号)第4条第4項に基づく「国際希少野生動植物種」に指定されており、販売・購入等が原則禁止されている。日本で繁殖された証明書がついた個体のみが販売可能に。
教えてくれた人
山崎貫太さん/ケーズペットクリニック院長。犬猫以外の小動物専門病院の院長。患者一人ひとりに丁寧に時間をかけて診察できる病院を目指す。完全予約制。ホームページ(http://www.ks-pet-clinic.com/)では、小動物の飼育方法も解説。
撮影協力
町田リス園/うさぎ・モルモット・カメは同園の協力で撮影。うさぎ・モルモット・カメは同園の協力で撮影。約200匹のタイワンリスが放し飼いにされており、小動物との触れ合い体験も実施(東京都町田市薬師台1-733-1)。
取材・文/北武司 撮影/浅野剛 撮影協力/町田リス園
※女性セブン2023年5月4日号
https://josei7.com/
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