犬・猫の正しい抱き方「こんな抱っこの仕方は間違っている!」4つのNG事例【専門家監修】
家族同様の犬や猫といったペット。愛するがゆえに抱っこし、抱きしめたせいで寿命を縮める原因を作ってしまうとは皮肉なこと。でも、動物の抱き方って、誰からも教えてもらえていないと思いませんか?飼い主なら知っておくべき、犬と猫の正しい抱き方を専門家にレクチャーしてもらった。
大切なワンちゃん、誤った抱き方していませんか?NG例
誤った抱き方のせいでペットの背中や腰に負担がかかり、本当は痛がっているかもしれない。それが原因で、数年後に異常が出ることもありえるから事は重大だ。いますぐ自分の抱き方が正しいか確認を!
【NG1】正面から抱き上げる
【NG2】前脚を持って引き寄せて抱く
【NG3】立ったまま抱き上げる
【NG4】お尻を丸めて抱く
※本企画のNGな抱き方は、専門家の指導のもと、安全に配慮して行っています。絶対に真似しないでください。
犬の背骨は立たせないのが鉄則
上記4種の抱き上げ方・抱き方のうち、最もやってはいけないのが【1】の「正面から抱き上げる」ことだと獣医師で犬の整体にも詳しい鈴木隆之さんは言う。
「犬のわきに手を引っかけて正面から抱き上げる方法は、肩や背中を痛める原因に。犬の肩甲骨は筋肉で胸にはりついており、関節が存在しません。この抱き方をすると、筋肉で引き上げることになるため、負担が大きすぎるのです」(鈴木さん・以下同)
そもそも、犬の背骨が垂直になるような姿勢をさせてはいけないという。人間のように二本足で立ち、背骨を垂直にして生活するようには体の構造ができていないからだ。
「正面抱きをすると犬の背骨が逆反りになるので、脊髄が損傷する場合もあります」
次にやってはいけないのが、【2】の前脚を持つ抱き方だ。
「これも肩甲骨の筋肉に負担をかけて肩と背中を痛め、最悪の場合歩けなくなります」
また、チワワなどの小型犬を抱くときに特に注意が必要なのは、【3】の飼い主が立った姿勢のまま抱き、勢いよく持ち上げることだという。
「小型犬にとっては逆バンジージャンプをさせられるくらいの負担が首にかかります。これで第一頸椎にある歯突起(しとつき)という骨が折れ、生涯、首にコルセットを巻くことになったワンちゃんもいました」
以上の3つは抱き上げるときの注意点だが、抱くときにやってはいけないのが、【4】のお尻を丸める方法だ。
「これは無理やり骨盤を曲げた状態になるので、腰に負担がかかります。犬を抱くときは、背骨が床に対して平行、つまり、四つん這いの姿勢を崩さないことが鉄則です」
飼い主の肩に犬の前脚をのせて抱っこするのも、背骨が垂直になり、骨盤に負担がかかるのでよくないという。正しい抱き方は上記を参考にしてほしい。飼い主側の知識と意識、習慣が大切なのだ。