実は怖い「ホクロ」の話 悪性腫瘍との違いや除去治療「40~60代の相談が増えている」背景を医師が解説
ホクロの大きさや深さにより施術法は異なるが、3mm以下の場合は炭酸ガスを照射してホクロを蒸散させる炭酸ガスレーザーでの除去が基本だ。
「ほかのクリニックでは電気メスを使う場合もあります。いずれも傷痕が残りにくく回復が早いのがメリットですが、ホクロの深さによっては完全に除去できす、再発する可能性が高い。徹底的にレーザーで取り切ろうとすると、患部が陥没してしまう恐れがあるのです」(山内さん・以下同)
3mm以上で隆起しているものは切開して根こそぎ取り除く方法がおすすめだ。気になるホクロを病理組織検査に出すこともできる。
「ただし、傷痕が残る可能性があり、大きいものだと何回かに分けて切除する場合も」
どちらも、いちばん痛いのは局所麻酔をするときだ。
「しかし、麻酔さえがまんできれば、施術中の痛みは感じません」
炭酸ガスレーザー、切開とも個人差や部位により違いはあるが、正常な皮膚に戻るまで半年~1年を要するという。
「術後2週間ほどで皮膚は盛り上がってきます。ただ、新しい皮膚は赤みを伴っているので、ほかの皮膚となじむまでには、時間がかかります。
絶対にやってほしいのが、新しい皮膚がほかの皮膚と同じ高さに盛り上がるまで、軟膏を塗り続けることです。早く乾燥させてかさぶたになった方がいいと思いがちですが、皮膚が盛り上がる前に乾燥させてしまうと、肌に段差ができ、一度そうなると元に戻りません。なるべく乾燥させないのがキモです」
ちなみに、シミ取りの場合は麻酔クリームを塗り、黒い色素を破壊する専用のレーザーを用いる。表皮にできた小さなクラーク母斑なら、炭酸ガスレーザーよりも手軽なシミ取りレーザーで対応できる場合もあるそうだ。
ホクロ除去治療の流れ「痛いの?」「高いの?」「時間かかるの?」
実際にホクロの除去治療を行う場合、どんな施術を行うのか? メリットやデメリットは? クリニックで行われている治療内容を例に、シミュレーションしてみましょう。
■炭酸ガスレーザーの場合
【1】除去範囲に局所麻酔を注射する。
【2】炭酸ガスレーザーを当てていく。所要時間1個約5分。
【3】軟膏塗布とテープ保護をする。
【4】乾かさないように軟膏とテープ保護を10日間継続する。
【5】新しい皮膚が再生する。かさぶたが出来た場合は10日前後で脱落する。
【6】2~3か月は赤みが出るが、新しい皮膚もできてくる。
料金:1個9800円~
■保険切開の場合
【1】局所麻酔を注射後、ホクロを含む周辺の皮膚を葉っぱのような形に切り取る。所要時間1個約20分。
【2】切り取った後の皮膚を丁寧に縫い合わせる。
【3】抜糸までガーゼで保護する。
【4】傷口が塞がった後に抜糸(目安は7~10日程度)。
料金:保険診療で約8000~9000円前後
上記の金額や施術日数等は「湘南皮膚科クリニック中野駅前院」におけるものです。