実は怖い「ホクロ」の話 悪性腫瘍との違いや除去治療「40~60代の相談が増えている」背景を医師が解説
「あったはずのホクロが消える?」「ホクロとシミの違い」など意外に知らないホクロの話を医師が解説。
1.ホクロと年齢の関係は?
あったはずのホクロがなくなっていたり、そうかと思えば突然できたり。ホクロはいつまででき続けるの?
「細胞の活性化が盛んな思春期から30代くらいまではホクロが増える時期。表皮にできたホクロは出たり消えたりすることもあります。細胞の働きが衰える中年期以降、ホクロは減産傾向に。老年期にはほとんどできなくなります」(山内さん・以下同)
「中高年になるとストレスでホクロが増える」という説も。
「ストレスは自律神経や免疫にかかわっているのでありえない話ではないのですが、現時点で科学的な根拠はありません。
ホクロだと思っているものが『老人性色素斑(シミ)』だったり、その他の病変の可能性もあります。心配な場合は、医師に相談してください」
2.ホクロとシミの違いは?
ホクロは母斑細胞が表皮や真皮に生じるのに対し、シミはメラニン色素が表皮に沈着したもの。もともとの構造やできる場所が根本的に異なる。
「シミは予防できますが、母斑細胞という『細胞』をできにくくするのは理論上難しい。前述で、ホクロの形成に紫外線の要因も考えられると言いましたが、美白ケアをしてもホクロの細胞増殖を防ぐことは難しいでしょう」(山内さん・以下同)
表皮にできるクラーク母斑とシミの区別は医師でも難しく、シミとホクロが混在しているケースもよくある。ホクロのみならず、シミを増やさないためにも、秋も紫外線対策は必要だ。
3.良性のできものは無限にある!
山内さんによると、ホクロやシミ以外で良性のできものは無数にあるという。
「加齢で増える脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)(老人性イボ)、目の周辺などにポツポツとできる稗粒腫(はいりゅうしゅ)、ミーシャー母斑と間違えやすい毛包系腫瘍(もうほうけいしゅよう)など、できものの種類は本当にたくさんあり、患者さんが戸惑われるのも当然です。
おおむね心配はありませんが、急に盛り上がってきたできものがあれば自己判断せず、医師の診断を仰ぎましょう」
取材・文/佐藤有栄 イラスト/鈴木みゆき 写真/写真AC
※女性セブン2023年11月2日号
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