実は怖い「ホクロ」の話 悪性腫瘍との違いや除去治療「40~60代の相談が増えている」背景を医師が解説
メラノーマが進行すると黒い部分が広がり、その部分が突然えぐれたり出血したりするため、誰が見ても「おかしい」とわかるのだが、初期の場合、一般人が自分で判断するのは不可能だ。
「そこで、メラノーマを鑑別する『5つのルール』をご紹介します。
【1】形が左右非対称である。
【2】縁がギザギザしていて、ぼんやりしている。
【3】色ムラがある。
【4】直径が6㎜以上ある。
【5】大きくなってきたり、色や形、症状に変化が見られる。
通常のホクロにも6mm以上のものが多くあり、右の5つはあくまで目安ですが、該当するものが複数あった場合は皮膚科を受診してください」
一般的には後天性のホクロがほとんどだが、稀(まれ)に、生まれつきの先天性のものもある。
「実は、メラノーマの19~21%は小型の先天性ホクロから進行します。中には新生児の体の半分以上を覆うほど大きなホクロも。大きくなるほど悪性化のリスクが高まるので、お子さんやお孫さんで先天性のホクロがある場合は、早いタイミングで切除を検討することが望ましいですね。もう1つ、表皮の基底層から生じる『基底細胞がん』は、一見ホクロに見えるものや、色のない『イボ』のような形状のものもあり、医師でも見つけるのが困難なこともある腫瘍です」
見たことのない新しいできもの(なおかつ膨らみのあるもの)を見つけたら、まずは病院で調べてもらおう。