60才を過ぎたら捨ててもいいこと 人間関係を整理してシンプルに生きる!「私はコレを捨てました」実例
還暦を過ぎたら、できるだけストレスなく過ごしたいもの。そこで見直したいのが人間関係。ズルズルと続けてきた友人関係や故郷のお付き合い、年賀状など手放すことで得られることもいっぱい。必要なものは残しつつ整理を進めていきませんか。身軽になれば、新たな経験ができるかもしれませんよ!
※本文中のコメントは『女性セブン倶楽部』会員(全国の60才以上女性)571人が回答(回答期間2023年9月12~19日)したアンケートの「還暦を機に捨てたもの・やめたことがある」の項目より抜粋しました。
教えてくれた人
マナー講師 岩下宣子さん(77才)
全日本作法会、小笠原流でマナーを学び、1985年に現代礼法研究所を設立。企業、学校、団体などでマナーの指導を行う。著書に『77歳の現役講師によるマナーの教科書 本当の幸せを手に入れるたったひとつのヒント』(主婦の友社)など。
お歳暮、年賀状もやめて人間関係を整理する
60才を過ぎると人生の残り時間が限られてくるため、貴重な時間は無駄なことに使うべきではない。特に、気の合わない人間とつきあい続けるのは時間の無駄。若い頃は、情報共有のためにママ友とのつきあいも必要だったかもしれないが、60才を過ぎたらその必要もない。そりが合わない、お世辞を言わないと成立しないような人間関係は捨てていいと、マナー講師の岩下宣子さんは言う。
「年賀状やお歳暮、お中元もやめてしまってよいと思います。その際、わざわざ“今年で年賀状はやめます”などと伝えなくてもかまいません。来た人にだけ返せば、自然と整理されていきます」(岩下さん・以下同)
ただし、つきあい続けていきたい相手には、「もったいぶらないこと」「見返りを求めないこと」が大切だという。
「お誘いを受けたらすぐに返事をすることが大切。即断即決が礼儀です。もったいぶっていては相手の時間を無駄にしてしまいます。相手に見返りを求めたり、過度の期待をかけるのもやめた方がいいですよ。損得感情抜きで“喜ぶ顔が見たい”と思える相手とだけおつきあいを」
◆岩下さんおすすめ!捨てるべきもの5つのこと
□ そりが合わない人との交際
□ もったいぶること
□ 自分から誘うこと
□ 見返りを求める心
□ お世辞やおべっか
「私はコレを捨てました」リアルな声
「60才からの人間関係を円滑にしたいなら、自分から働きかける気持ちを捨てるのも、ひとつの手です。来るものは拒まず、という姿勢で受け身となって、相手に流されてしまうのです」(岩下さん)。すると、自分にはない考え方に触れられたり、新しい経験ができ、心まで豊かになるという。
◆故郷・幼なじみを捨てた!
東京に暮らして40年。盆暮れには故郷に帰り、幼なじみたちと会っていましたが、次第に生活のペースや考え方が合わなくなりました。62才のときに母が亡くなり、実家を処分。それを機に故郷へ帰るのをやめ、幼なじみと会うこともなくなりました。(67才・自営業)
◆年賀状を捨てた!
年末が近づくと憂うつだったのが年賀状作成。「やらなければならない」という義務感がつらかった…。LINEで新年のあいさつをしている娘を見て一念発起。誰にも何も伝えず、まったく出さなかったら、誰からも責められることなく、フェードアウトできました。(64才・会社員)
◆悪口を捨てた!
悪口を聞くことでマイナスな気持ちになりがち。いっそ悪口を言わないほうが前向きな気持ちに。
◆子供・孫にかまうことを捨てた!
共働きの息子夫婦から、孫の世話を頼まれ、がんばっていたのですが、次第に遠慮がなくなり、息子も嫁も遅くまで飲み歩くように。そんな時間があるならと「卒孫」を宣言。孫は遠くにいるからかわいいもの。たまに会うくらいの方がやさしくできます。(62才・主婦)
◆親戚づきあいを捨てた!
気が合わないのにつきあいを続けていた親戚たち。ところが、私たちの子供世代は皆、つきあう気がない。いずれ関係が途切れるなら、それはいま切っても変わらないと思い、コロナ禍を理由に故郷に帰らないなど、少しずつ距離を置き始めました。(62才・会社員)
●サークル活動を捨てた!
低山登山のサークルを主宰し、SNSで集まった仲間と活動していました。そのうち組織が大きくなり、名簿作成や保険手続きが複雑に。純粋に登山が楽しめなくなったため、脱退。いまは自分のペースで友達とだけ、気楽なハイキングを楽しんでいます。(64才・パート)
◆SNSを捨てた!
推しアイドルの活躍を見るために始めたSNS。若いファンとも友達になれるのがうれしく、スマホ漬けに。ところが、ファン同士のけんかに巻き込まれ、人間関係が煩わしくなって、アプリごと削除しました。SNSでのつきあいは、丸ごと消せるのが便利ですね。(60才・主婦)
◆同窓会を捨てた!
懐かしい旧友に会える同窓会だが、マウントの取り合いの場になることも多い。家族や経済力の自慢など、聞いているだけでうんざり。思い切って欠席するのも手です。
◆夫の存在を捨てた!
乱暴にドアを閉めるなど、大きな音を立ててイライラを訴える夫。静かにしてと注意するとここぞとばかりに“口撃”してくるので、夫の存在をなきものとして生活することに。音を立てても無視。夫も張り合いがなくなったのか静かに生活するようになりました。(60才・保育士)
◆いいひとのふりを捨てた!
職場では笑顔を絶やさず、温厚ないい人を演じてきました。ところが、60才で顔面神経痛を発症。ストレスが原因と言われました。それ以降、無理に笑顔を作るのをやめました。すると本音を語れる人とだけつきあえるようになり、気が楽になりました。(62才・パート)
取材・文/前川亜紀 イラスト/なとみみわ
※女性セブン2023年10月26日号
https://josei7.com/
●タレント野沢直子さん(59才)が語る60才からの生き方「人間関係も夫婦関係も整理」