「100才超えの人が114人!全国平均の3倍の町」京都・京丹後市の高齢者の食生活「長寿の秘密」を専門家が分析
この研究により、京丹後市民には「長寿型腸内フローラ」が整っていることが明らかになったという。腸内フローラとは、腸内のさまざまな細菌がバランスよく花畑のように密集している状態を意味する。的場さんは続ける。
「京丹後市民は大腸がんの罹患率が京都市民の60%であることがわかりました。京丹後市民の腸内細菌は、善玉菌が多く悪玉菌が少ないという特徴があるのです。京丹後は海や山、田畑が身近にあるため、昔から食卓には食物繊維が多い野菜や海藻、魚などを中心とした腸にいい食材が並んでいる。食は京丹後市民の長寿を作る大きなファクターだと考えられます」
84才ひとり暮らしの女性「健康の秘訣は食べ物やね」
実際、夫に先立たれ息子も独立し、30年近くひとり暮らしをしているという84才の岩本佐伃子(さよこ)さんに健康の秘訣を尋ねると、「食べ物やね」とすぐに返事が返ってきた。
「海沿いで生まれ育ったから、魚や海藻は毎日のように食べてきた。いまでもわかめを佃煮にしたり、刻んだもずくはよう食べる。あとは年を取ってからは魚や海藻だけじゃなく、お肉もよう食べるようになった。脂を摂らんと肌がカサカサしてあかんね(笑い)。そのほかに欠かせないのはいも類。さつまいも、じゃがいも、里いも…なんでも食べます。ほかにも毎日食べるものといえば、豆腐やヨーグルトやね」
食物繊維にたんぱく質、炭水化物と無意識のうちにバランスよく摂取しているのが「100才の町」の住民の食卓の特徴なのだ。地元の名産品にはさばをぬかに漬け込んで作る発酵食品「へしこ」があり、古来、親しまれてきたことも「長寿型腸内フローラ」に一役買っているといえるだろう。
※女性セブン2023年11月2日号
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