八千草薫さん「90才目前のがん手術」メリット・デメリット
「無理をしないと女優という仕事はできない」かつて大女優は、そう周囲に話していた。
その彼女が突然、活動休止を発表した。そして、同時に明かされた「がん闘病」の日々。高齢者における「がん手術」のメリット・デメリットを天秤にかけ、彼女はどんな思いで決断したのか。
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2週間ほど前に突然、降板の連絡がスタッフ陣にありました。症状や理由も聞かされていなかったので、報道を見て驚きました」(ドラマ関係者)
2月9日、八千草薫(88才)さんが所属事務所の公式サイトで、肝臓がんの闘病中であることを公表した。治療に専念するため、出演予定だったドラマ『やすらぎの刻(とき)~道』(テレビ朝日系)とドラマ『執事 西園寺の名推理2』(テレビ東京系)を降板する。
自宅は都内の高級住宅地にある。’07年に夫で映画監督の谷口千吉さん(享年95)を亡くしてからひとり暮らしだが、最近は自宅周辺ではほとんど姿が見かけられていなかった。
「体調管理に気を使うかたで、以前は毎朝、犬の散歩をされていましたが、最近はペットシッターに任せきりのようです。外を出歩くこともなくなり、身の回りのことはお付きの女性がすべて行っていると聞きます」(近隣住民)
昨年1月に膵臓の摘出手術、3月には仕事復帰
八千草さんは’17年末に毎年受けている人間ドックで膵臓がんが見つかり、昨年1月に膵臓を摘出する手術を受けた。
90才を前にして行った大手術について、医療ガバナンス研究所所長で医師の上昌広さんが解説する。
「膵臓がんは自覚症状がほとんどなく、見つかった時は手遅れというケースも多い。合併症が極めて多く、数パーセントが手術で亡くなるともいわれますが、手術をしないと余命1~2年という可能性もある重篤な病気です。八千草さんは高齢ですが、本人が完治を望んだので手術に踏み切ったのでしょう」
手術後は2か月療養し、昨年3月からドラマの撮影で仕事に復帰した。8月、9月には主演舞台『黄昏』で、老いを感じながらポジティブに生きる主人公を演じきった。
「楽屋で点滴を打ちながらの満身創痍の状態でしたが、なんとか千秋楽まで完走しました。その後も足腰に不安は残りましたが、調子は悪くなかった。ですが、今年に入って発熱が続き、受診したところ肝臓への転移がわかりました。徐々に体力も回復して“まだまだがんばれる”と思っていた矢先だったので、本人は大きなショックを受けていました」(八千草さんの知人)
八千草さんはすべての予定をキャンセルしており、近く再入院するという。
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