暮らし

中高年が「やってはいけないダイエット」若々しく確実にやせる黄金ルール13【専門家監修】

●1日3食欠かさず食べる。

●3食とも穀物をしっかり食べる。

●栄養バランスの整った食事をする。

●ゆっくりよく噛んで食べる。

●「やせそうな食べ物」を選ばず、自分の好きなものや食べたいものを食べる。

●サプリメントやプロテインなどには頼らない。

●「やせるお茶」などは飲まない。

●水をしっかり飲む。

●お酒やお菓子は無理に断とうとしない(飲みすぎ、食べすぎは当然NG)。

●清涼飲料水や、添加物、砂糖、油の多い食べ物は極力避ける。

●日によって食べたり、食べなかったりする「むら食い」はしない。

●規則正しい生活をする。

●睡眠時間は6~8時間確保する。

「ぽっちゃり」こそ長寿の秘訣

 中西さんは、そもそも女性は40代以降になったら、それまでよりも少し体重が増えるのは自然なことだと話す。

「閉経前後、女性ホルモンが減少することで代謝が落ちるため、体重や体脂肪率が増えるのは普通のこと。“スリムなほど健康”というのは極端な考えです。統計的にも、中高年は“小太り”の方が寿命が長いことがわかっています」(中西さん・以下同)

 事実、統計上もっとも病気になりにくいとされているのは「BMI22」だ。

 それでも、「20代、いや30代の頃と同じくらいの体重に戻りたい」と思うなら、取り組むべきは「栄養のバランスを崩さずに、食事の全体量を減らす」ことだと中西さんは続ける。

「栄養のバランスは保ったまま、1日の摂取カロリーをそれまでの8割程度に減らすといいでしょう。適度にカロリーを制限して、間食をやめて食事の間をきちんとあけるようにすると、老化が抑制されることがわかっています」

 三田さんによれば、栄養の“黄金バランス”を守るには、厚生労働省が公開している「日本人の食事摂取基準」に従うのがベスト。

「正しい栄養バランスで食べていれば、もっとも効率的に脂肪を燃やし、体に必要な物質を適切につくり出せるようになります。穀物、肉、魚、豆、脂、乳製品、卵、野菜、いも、果物の10種類を、一汁三菜で摂るように心掛けるだけでも充分。多少多かったり、少なかったりしても問題ありません」(三田さん・以下同)

 よく「ダイエット中はたんぱく質を積極的に摂るべき」ともいわれるが、“黄金バランス”が崩れるほど食べるのは逆効果だ。

「“たんぱく質はいくら食べても太らない”というのは間違いで、バランスが崩れるほど食べれば、余剰分は脂肪になります。野菜ばかり食べるのもNG。エネルギーになりにくいのにすぐに満腹感が得られてしまうので、ビタミンやミネラル、食物繊維以外の必要な栄養素を摂れなくなるのです」

 日本人が不足しがちな食物繊維も、ただ大量に摂ればいいというわけではなく、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維のバランスを取ることの方が重要だ。

「多くの野菜や全粒粉パンなどに含まれる不溶性食物繊維は、多すぎると便が硬くなり、かえって便秘になりやすくなります。不溶性食物繊維と海藻類などに多い水溶性食物繊維が『2:1』のバランスから大きくズレると、逆効果になることもあるのです」(石本さん)

「体重は、運動と食事の総和の表れ」だと、中西さんは言う。自分を追い込むような極端な食事制限や運動など、短期間で効果を出そうとするようなダイエットは禁物。40才を過ぎたら長期的な視点で「美しく健康な体」を手に入れよう。

こんなに食べていいんです!1日の「食事の黄金バランス」

1日の食事の黄金バランス

 1日3食とも、【1】~【6】までの品目について以下のバランスを意識して食べる。穀物を抜いたり野菜だけを食べたり、偏りがあるのはNG。

【1】穀物

1食につきどれか1つを選ぶ。白米(茶わん1杯)/食パン(6枚切1枚半または8枚切2枚)/パスタ(2/3人前=約170g)/そば(1人前)/うどん(1人前)/もち(105g)

【2】肉、魚、豆など

1食につきどれか1つを選ぶ。3食で同じものが重なってもいい。肉(手のひらに載る分)/まぐろ、ぶりなど脂の多い魚(手のひらに載る分)/たら、鮭など脂の少ない魚(片手分)/いか、たこ、えび、貝類などの魚介類(80~100g)/納豆(1パック)/豆腐(半丁)/豆乳(約200ml) ※卵は1日1個

【3】乳製品

1日のうち、どれか2つを選ぶ。卵を食べない人は乳製品で代用していい。牛乳(130g)/チーズ(6Pチーズの1つ)/ヨーグルト(全脂無糖のもの140g)

【4】野菜

好きなものを組み合わせて、1日の摂取量が合計350gになるように食べる。(分量は生)キャベツ(1/4個=約300g)/ブロッコリー(1房=約15g)/ミニトマト(1個=約10g)/きゅうり(1本=約100g)/大根(1/2本=約400g)/レタス(1/2個=約150g)/にんじん(1本=約200g)/なす(1本=約80g)/玉ねぎ(1個=約200g)/カットわかめ(小さじ1=約10g)/しいたけ(1個=約20g)/しめじ(1パック=約100g)など

【5】果物

1日のうち、どれか1種類を食べる場合の分量。半量ずつ2種類など、アレンジしてもいい。みかん1個/いちご(中)約15~20粒/桃1個/グレープフルーツ1個/りんご1/2個/バナナ1本/ぶどう(大)約10~15粒/すいか2切れ/キウイ2個

【6】いも類

1日のうち、どれか1種類を食べる場合の分量。半量ずつ2種類など、アレンジしてもいい。じゃがいも1個/さつまいも5cm/里いも3個/長いも5~7cm

※出典:三田智子『食べたいものを食べて一生スリムをキープする食事のすごい黄金バランス』

写真/PIXTA

※女性セブン2023年9月14日号
https://josei7.com/

●中高年からは“小太り”が正解!大事なのは体重ではなく体組成「BMI22~23がもっとも死亡率が低い死亡率」

●“スロージョギング”の正しいやり方と運動効果|家でもできる!きつくないのに筋肉と持久力がつく

●100才まで元気に生きるための8つのメソッド「趣味をもつ、免許返納は年齢で決めない、ぽっちゃり体形を目指す」

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