「肩甲骨と腕は一緒に動かせる?」疲れない・痛まない体を作る筋トレ不要の夏バテ解消法
<岡田さんのお手本>
<悪い例>
<トレーニング>姿勢も安定する椅子の立ち上がり
【1】椅子に座り、上体を起こす。
【2】骨盤から上体を前傾させる。
【3】さらに前に体を倒すと頭の重みで自然と骨盤が上がり、お尻が浮いてくる。
【4】そのまま自然な姿勢で立ち上がりフィニッシュ。逆の要領で【3】~【1】に戻る。
しなやかな動きは肩甲骨と股関節にあり
上半身に関しては、肩甲骨と腕との連動が重要なことは先述の通り。
「肩こりや腱鞘炎(けんしょうえん)、ひじ痛に悩んでいるかたは、肩甲骨から動かしてみましょう」(岡田さん・以下同)
そして、下半身の動きで最も大切なのが股関節。だが、椅子やトイレ、ベッドといった洋式スタイルに慣れた私たちは、日常で股関節を90度以上曲げる場面があまりない。
「しゃがむ動作になると途端に関節が動かしにくくなり、ついひざに頼ってしまいます。さらに、太ももの筋肉も前側に負荷が集中し、内側、裏側はあまり使われず、偏りがちに。上記のトレーニングで股関節の使い方を身につけましょう」
体幹部を動かすのもまた、股関節の役割だ。
「私たちの動作は、止まっているとき以外、ほぼ前傾姿勢です。歩行も同様で、前傾することで前に進めるのです。古武術でも、いかに上手に前傾できるかが重要視されており、その前傾姿勢を支えているのが股関節なのです。しかし、実際に『前傾してください』と言うと、ほとんどの人は腰から曲げています。その状態で一日の大半を過ごすわけですから、腰が重くなり、背中が張るのは当然です。腰を曲げる習慣のある人は、腹のあたりに横一線、くっきりと筋が入っているはずです。まず肩の力を抜き、股関節を後方に引いて足首をゆるめて立ちましょう。その状態で、股関節から上体を傾ける。これが正確な前傾姿勢です」
股関節から前傾するといっても、どこを起点にすればいいのだろうか?
「股関節というとそけい部(足のつけ根)あたりと思いがちですが、どちらかというと英語の『ヒップジョイント』(お尻の関節)が近いでしょう。お尻の下のしわを伸ばす感覚で前傾するのがベスト。スピードスケートのスタート姿勢、スキージャンプの飛行姿勢のイメージです」
肩甲骨と股関節に意識を向け、トライしてみよう。
取材・文/佐藤有栄 撮影/森 浩司 モデル/片山 瞳(Jungle)
※女性セブン2023年9月7日号
https://josei7.com/
●全集中!「世界の呼吸法」で長生き!中高年におすすめの呼吸法6選