兄がボケました~若年性認知症の家族との暮らし【第211回 兄、“食べること”を忘れる!?】
世の中は、行動制限のない夏休みにレジャーやお出かけをしている人が大勢いますが、ツガエ家はそれどころではないようです。若年性認知症を患う兄の症状が進んでしまったのです。妹のマナミコさんの気が休まるときは、なかなかやってきません。

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「は~い、ご飯ですよ~、お口開けてくださ~い」
認知症は記憶が消えていく病気といわれていますが、さすがに生きるために必要な最低限の欲、原始から備わる“食欲”は忘れたりしないと思っておりました。でも、昨今の兄の食の細さをデイケアやケアマネさまにご相談したところ、「忘れちゃってるのかも」とおっしゃるではありませんか。「そんなことあるんですか?」と驚いたツガエでございます。
ここ2~3週間でどんどん食べる量が減り、水分をすすめても置きっぱなしのことが増えてきたので、わたくしもだいぶ声掛けはしてきたのですが、先日のデイケアでは、ついに「食事介助」があったそうです。つまりスタッフの方によって口の中まで食べ物を運んでいただいたのです。それでもなかなか飲み込まず、半分しか食べなかったそう…。
食欲がない経験はわたくしにもございます。仕事や遊びに集中しすぎて食べることを忘れることもギリギ