生理痛の対処法5つのポイント「手もみと耳カイロ、薬の適切な服用法」を医師がアドバイス
加えて効果的なのは腹部のツボとリンクした「【3】手もみ」を実践すること。松岡さんが続ける。
「手の親指と中指の延長のへこんでいる部分が生理痛のツボにあたります。片手ずつ、反対側の手で、2分ほどぐっと押し込むことを習慣にしてください。実際に、この『手もみ』をテーマにした本を出版した際、編集を担当した女性は毎月救急車を呼ぶほど生理痛がひどかったのですが、9か月の編集期間に手もみを教えたところ、本が完成する頃には救急車はまったく必要ないくらい緩和されたというのです」
痛みが続く場合は病院で医師の診察を受けること
そうした“応急処置”をしつつ、痛みを根本から解決するために早めに病院へ行くことも肝要だ。
「痛みの原因であるプロスタグランジンの産生を抑える『【4】メフェナム酸』や低用量エストロゲン・プロゲスチン製剤『【5】LEP』を用いれば、根本的な治療になる。重度の生理痛は『月経困難症』と呼ばれる立派な病気です。脳をまひさせて痛みを感じなくさせる鎮痛剤ではなく、そうした治療薬を用いることは有用な方法だといえるため、知っておいてほしい」(北村さん)
あらゆる痛みは生活習慣の改善やストレッチなど少しの工夫で緩和できる。紹介した方法を活用し、少しでも薬のリスクを遠ざけることが健康を手に入れることにつながる。ただし、素人の自己判断は禁物だ。
「痛みが3か月以上続く、発熱を伴う痛みであるなどの場合は迷わず病院を受診してください。大きな病気の兆候の可能性もあり、医師の診察を受けるべきです」(東京医科大学整形外科准教授の遠藤健司さん)
痛みに悩まされる日々と決別するために、日頃から自分の体としっかり対話したい。
教えてくれた人
北村邦夫さん/医師・日本家族計画協会市谷クリニック所長、松岡佳余子さん/「アジアン・ハンドセラピー協会」代表理事、遠藤健司さん/東京医科大学整形外科准教授
イラスト/飛鳥幸子
※女性セブン2023年8月10日号
https://josei7.com/
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