50才以降は要注意「帯状疱疹」は早期治療が肝心!症状や予防法を医師が解説
Q:発疹は帯状に出るの?
A. 「体の神経節は左右対称で、帯状疱疹はそのどちらか一方の神経部分だけに発症します。ですから、ウイルスに侵された神経に沿って、体の左右どちらか一方だけにブツブツした水疱が帯状に出ます」(漆畑さん・以下同)
Q:人にうつる?
A. 「帯状疱疹そのものが人にうつることはありません。ただ、水ぼうそうにかかったことがない人はウイルス感染することがあり、その場合は帯状疱疹ではなく水ぼうそうとして発症します。水ぼうそう未経験でワクチンも接種していない人は要注意」
Q:似た病気はある?
A. 「単純ヘルペスがよく似た病気です。一度感染すると体内に潜伏し、免疫力が低下したときに再活性化。水疱が目、唇、手指、肛門周辺などに出ますが症状は軽く、後遺症も残りません。再発を繰り返しやすく、他人に感染します」
Q:水疱はつぶしてもOK?
A. 「水疱はつぶした方が治りが早いと思っている人もいますが、大間違い。細菌感染の原因になるので、つぶしたり、むやみに触ったりしないこと。水疱が膿を持っている場合、医師がつぶす処置をすることもありますが、自分でつぶすのは厳禁です」
Q:入浴してもいい?
A.「“よい”です。湯船につかってしっかりと体を温めてください。ウイルス感染で壊れた神経組織が早く再生するよう、温めて血液循環をよくすることが重要です。つぶれた水疱の液をシャワーで洗い流した方が治りも早くなります」
Q:後遺症は一生治らない?
A. 「帯状疱疹の後遺症として最も多いのが帯状疱疹後神経痛で、いくつかの神経障害性疼痛治療薬や麻薬のひとつである弱オピオイド鎮痛薬など、投薬を中心とした治療を行います。治療には時間がかかることが多いですが、あきらめないことが大切です」
教えてくれた人
医師・漆畑修さん/医療法人社団アルテミデ理事長、宇野皮膚科医院院長、東邦大学客員教授。専門は皮膚科学、特にヘルペス感染症、アレルギー皮膚疾患など。著書に『Dr.ウルのよくわかる帯状疱疹・単純ヘルペス』(22世紀アート)など。
取材・文/土田由佳
※女性セブン2023年7月20日号
https://josei7.com/
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