マスクを取ったらシミが気になる…シミを濃くする4つのNG習慣とは?シミの種類やメカニズムも【皮膚科医解説】
3年にわたって続いたコロナ禍での制約が解除され、マスク着用義務もなくなった結果、これまで以上に肌の状態が気になっている人が増加。特に「シミ」に対する注目度が高まっている。あなたのシミのタイプを知れば、どんな生活習慣が影響しているのかがわかるという。さらに、ついついやりがちなNG習慣も紹介。今年はシミ悩みを少しでも軽くしていきましょう!
あなたのシミはどれ?
まずは、鏡でチェックしてみて。できたシミによって、生活習慣と対策がわかる。
●肝斑(かんぱん)
境界線があいまいでモヤっとしたシミ。多くは左右対称に頬骨あたりにでき、あごや鼻の下にもできる。女性ホルモンのバランスの乱れが関与しているといわれている。
●脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)
触ってみるとわずかに盛り上がっていて、色はさまざま。老人性イボとも呼ばれる。老化や長年にわたる紫外線ダメージの蓄積などによってできる。
●炎症後色素沈着
ニキビや傷、摩擦刺激などによって一時的に炎症が起こり、色素細胞が活性化され、メラニン色素が茶色く沈着してシミになったもの。間違ったスキンケアによる摩擦によってもできる。
●老人性色素斑
シミの悩みの約6割がコレ。境界線がはっきりしていて体にもできる。紫外線を浴びたことが主な原因で、時間の経過とともに茶色くなり、だんだん濃くなってくる。
●ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)
思春期以降に発生するアザで、グレーや青みがかった色をしている。メラニンが表皮ではなく、その下の皮膚の深い部分(真皮)に現れている状態。
●雀卵斑(じゃくらんはん)・そばかす
鼻や頬を中心に左右に広がる小さなシミ群。遺伝的要素が強く幼い頃からでき始め、紫外線で濃くなる。色白の人に比較的多い。
コロナ禍以降シミや肝斑が気になるように
コロナ禍以降にシミや肝斑に対する意識が変わったと感じている人は実に約43%。そのうちの58.4%が、「より顔のシミ・肝斑(かんぱん)が気になるようになった」と回答している(※)。
今泉スキンクリニックの美容皮膚科医・角田麻衣子さんは、その理由を次のように語る。
「コロナ禍で外出自粛の中、メイクよりもスキンケアに力を入れる人が増えた結果、シミが気になる人が増えたのだと思います。シミでお悩みのかたにいちばん多いのは、老人性色素斑で、肌が紫外線を浴びすぎた結果、基底層という肌の奥のメラノサイトが活性化し、メラニンが多量に作られることで、シミができます。とはいえ、紫外線を浴びてすぐにできるわけではなく、長年蓄積されたダメージが徐々に肌の表皮細胞まで上がってきて、シミになるのです」
皮膚科医の日比野佐和子さんは、コロナ禍である特徴が目立ったという。
「頬の高い位置に左右対称のシミが目立つようになったと訴える人もいます。これは女性ホルモンバランスの乱れなどが原因で起こるシミの肝斑で、運動不足や精神的ストレスなども関係しているので、コロナ禍で目立ち始めたのでしょう。これに、マスク擦れなど肌に刺激を与えたことでできる炎症後色素沈着が重なり、シミが目立ちやすくなったとも考えられます」
これまで、紫外線が原因と思われてきたシミだが、ここに来て、肌内部の神経や血管、筋肉までも関係していることが明らかに。それとともに新対策もわかってきている。いまあるシミを改善し、新たなシミを作らないために、すべきことを見ていこう。
(※)資生堂が2021年3月に「皮膚科やエステ等でシミや肝斑対策の施術を受けたことがある」25~59才の女性700名に行ったアンケート調査による。
●シミができるメカニズム
紫外線の浴びすぎやターンオーバーの乱れで、局所的にメラニンが過剰に作られるとシミになる。
→肌のシミとしわ 種類と原因別対処法、クリニックでの施術用語を専門家が解説