マスクを取ったらシミが気になる…シミを濃くする4つのNG習慣とは?シミの種類やメカニズムも【皮膚科医解説】
【NG1】コスメのUVカット効果に頼り切る
シミ対策でまずすべきは、紫外線から肌を守ること。日焼け止め効果が高い化粧品は多数あるが、大切なのは肌に合うものを、適量を守ってしっかり塗布することだ。
「SPF値が高いからといって、薄くのばしていては肌をガードしきれず、効果は期待できません。汗で流れたり、マスク擦れで落ちてしまわないよう、○時間持続という数字に頼り切らず、数時間おきに塗り直すといいでしょう。肌に合わないものを使って炎症が起きれば、そこから紫外線を吸収しやすくなってしまいます。古いもの、使用後に炎症が起きた場合などは、すぐに使用をやめましょう」(角田さん・以下同)
以前の日焼け止めが残っていても、使用期限の記載があれば従い、期限内であっても変色・異臭・中身が分離していれば使用するのは避けよう。
【NG2】強すぎるマッサージや、シミケア製品の重ね塗り
吹き出す汗をタオルやシートで拭き取ったり、洗顔やお手入れの際に摩擦を与えるとシミを増やす原因になる。特にシミがすでにできているところに触れる際は、細心の注意が必要だ。
「気になるシミに、効果のある成分をしっかり浸透させようと、力を入れて塗り込んだり、適量を守らず重ねて塗っても効果は高まりません。シミケア成分が高配合された高級コスメであっても、強すぎるマッサージによる摩擦刺激が肌にダメージを与えて炎症を引き起こし、シミを濃くしかねません」
コンシーラーでシミをカバーする場合も、やさしく色をなじませ、決して力を入れないこと。
「刺激によって血管が異常増殖すればシミは増えます。肌に触れる際はやさしく、を心がけてください」(日比野さん・以下同)
【NG3】マスク擦れやうつぶせ寝による枕擦れ
摩擦によるシミは、炎症後色素沈着といい、化粧水を肌に浸透させるためのパッティングでも強く行うとできることがあるという。
「コロナ禍では、マスク着用時の擦れでシミができた人が増えました。マスクが自由化されても外すのに抵抗がある人は、摩擦が強い不織布タイプより、肌にやさしい天然素材のものを選んでください」
シミ予防には良質な睡眠をとり、肌の修復を助ける成長ホルモンの分泌を活性化させることも大切だが、このときに気をつけたいのが枕カバーの素材だ。
「特にうつぶせ寝の場合、顔に直接枕カバーが当たります。寝返りをうつたびに枕カバーで皮膚がこすれ、摩擦による炎症を引き起こし、シミの原因になることも。シルクなどの摩擦が少なく肌にやさしい素材を選ぶといいでしょう」(角田さん)
【NG4】糖質過多な食事による肌糖化
食生活が乱れて糖質が中心の食事になると、肌糖化が進んでシミが増えてしまう。
「糖化」とは、体内のたんぱく質と過剰に摂取した糖が結びつくこと。これに体温の熱が加わると、AGE(終末糖化産物)が作られ、老化や病気の原因になる。
「肌の表皮細胞が糖化する透明感が失われてくすみ、メラニンの生成が促されてシミが増えてしまので、糖質の摂りすぎは厳禁です。シミ予防・改善ともに効果があるビタミンCはもちろん、抗酸化力の高いビタミンAとEを一緒に摂ると、紫外線のダメージを受けにくくなります。ナッツを間食にし、毎食ごとにカラフルな野菜や果物を積極的に摂ると、シミだけでなく、トータル美肌に近づきます。ザクロにはチロシナーゼの分泌を阻害するエラグ酸が含まれており、シミ対策におすすめ。長寿遺伝子を活性化するウロリチンも豊富なので、若返りも期待できます。市販のジュース、サプリメントでもOKです」(日比野さん)
教えてくれた人
今泉スキンクリニックの美容皮膚科医・角田麻衣子さん、皮膚科医・日比野佐和子さん
取材・文/山下和恵 イラスト/上田惣子
※女性セブン2023年6月15日号
https://josei7.com/
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