高血圧でも薬に頼らない生活を送るために!手軽にできる8つの運動習慣「おすすめは肺まわりのストレッチ」
病院が処方した血圧の薬を飲んでいる。という方も多いと思うが、理想なのは、薬に頼らない生活。それには、自然に血管を若返らせ、元気な血管を保つことが重要で、運動することが一番だという。どんな運動が効果的なのか、専門家に話を聞いてきた。
血管を若返らせるのが高血圧解消のカギ
秋津医院院長の秋津壽男さんはこう指摘する。
「若くて健康な血管の特徴は、やわらかくしなやかで、弾力があること。血管は年齢を重ねると必ず硬くなっていくため、毎日の生活習慣のなかで動脈硬化を食い止めることが重要です」
日本歯科大学病院内科臨床教授で『ズボラでもみるみる下がる 測るだけ血圧手帳』の著書がある渡辺尚彦さんは「血管の広がり」に注目する。
「血管が収縮していると血流が悪くなって血管がつまりやすくなり、老化や病気の原因になります。反対に、血管が広がっていれば、血流が改善されて血管を若々しく保てる。薬に頼らなくても運動や食事などで“スイッチ”を入れれば、血管を広げて血管年齢を下げることができます」
大切なのは血管を鍛えて動脈硬化と収縮を食い止めること。血管を若返らせる「最強スイッチ」を紹介しよう。
血管を若返らせる最強習慣
まず取り組みたいのが「運動」だ。渡辺さんが言う。
【1】1日30分程度のウオーキング
「サイクリングやジョギングなど軽~中程度の負荷を長時間かける有酸素運動は、酸素を使って体脂肪を燃焼させ、動脈硬化の原因となる悪玉コレステロールや中性脂肪を減らします。なかでも負担が少なく効果があるのがウオーキング。1日30分ほど、少し早めだけど息が切れないペースで歩くのがポイントです」
渡辺さんの知る運動嫌いの高血圧患者は、5種類の降圧剤をのんでいた。患者を説得して毎日歩く習慣をつけてもらったところ徐々に血圧が低下し、最終的には1種類の降圧剤の錠剤を半分だけのめばいいほどに回復したという。
日々の暮らしでもなるべく歩くことを心がけたい。
【2】エスカレーターやエレベーターに頼らず階段を使う
谷本さんが言う。
「エスカレーターやエレベーターに頼らず、階段を使うだけでも血管は刺激されます。コロナ禍も落ち着いたので、座りすぎず積極的に外出する機会を増やしてください」
こまめに歩くことを意識しつつ、体全体をしっかり動かす習慣も身につけたい。
【3】ゆっくりとした動作で体を動かす「スロー運動」
「動脈硬化が進む人は運動不足で筋肉や関節が硬くなっています。なので、ゆっくりとした動作で体を動かす『スロー運動』で筋肉を伸ばして関節をやわらかくすると、血管に対するマッサージ効果が生じます。ラジオ体操をゆっくりやることがおすすめです」