高血圧でも薬に頼らない生活を送るために!手軽にできる8つの運動習慣「おすすめは肺まわりのストレッチ」
薬学研究者で『薬に頼らず血圧を下げる方法』の著者の加藤雅俊さんは自ら考案した「降圧ストレッチ」を提唱する。
「最近の研究で、骨格筋を動かすと血管の内皮細胞から分泌されるNO(一酸化窒素)が、血管を柔軟にすることが明らかになっています。ウオーキングや体操など体を動かす運動でなくても、筋肉や関節を伸ばしたりひねったりして全身をストレッチすれば、NOが分泌されて血管が若返ります。
【4】肺まわりの筋肉のストレッチ
なかでも効果が期待されるのが『肺まわりの筋肉』のストレッチ。加齢によって心肺機能が衰えると酸素を全身に送る力が弱まり、心臓がそれを補おうとしてポンプ力を高めて血圧が上がります。ストレッチをして胸郭を広げると肺が広がって酸素を取り込む量が増えるので、心臓の負担が減り血管の老化を予防し血圧が下がりやすくなります」
◆肺まわりのストレッチのやり方
代表的な肺まわりのストレッチのやり方は、
・両手を後ろで組んで下に引っ張り
・それから胸を張って組んだままの両手を上に引き上げる
・同時にあごを上げて顔を上に向け、胸を張った状態で10秒キープする
加藤さんによれば、この「降圧ストレッチ」で血圧が下がった50代女性がいるという。
「164mmHgだった数値が、降圧ストレッチを始めて1週間すると下がり始め、2か月後には110mmHgになりました」(加藤さん)
【5】ふくらはぎを叩いて血管を刺激
「第二の心臓」と呼ばれるふくらはぎをパンパンと刺激する「ふくらはぎ叩き」も簡単な動作で血圧を下げられる。
考案者の渡辺さんが語る。
「手のひらの付け根で、ふくらはぎの側面を下から上へリズミカルに5分ほど叩きます。続いて、アキレス腱からひざの裏までげんこつの側面で、下から上へ3 分ほど叩いていきます。左右両足に、強すぎず弱すぎず、気持ちいいと感じる程度の力で叩くのがコツです」
「ふくらはぎ叩き」を実践した渡辺さんの患者は、片足の体積が320㏄減ってむくみが取れ、血圧が5~10mmHgほど下がったという。
セットで行いたいのが、手の親指と人差し指の間にある「合谷(ごうこく)」のツボ押しだ。
「指圧師が“万能のツボ”と呼ぶツボで、刺激すると血管が開いて血流がよくなります。高血圧の人には特に効果があり、1日3回、左右10分ずつ合谷を指圧すると、2か月後に平均で4mmHgほど血圧が下がりました。短期間で20~30 mmHg下がった人もいます」(渡辺さん)
◆簡単にできる「ふくらはぎ叩き」のやり方
「ふくらはぎ叩き」のやり方をご紹介する。
【1】ふくらはぎの側面を下から上へ手のひらの付け根でリズミカルに叩く。約5分、「気持ちいい」と感じるくらいの強さで叩いた後、反対の脚も同様に行う。
【2】アキレス腱からひざ裏まで、下から上へ叩いていく。約3分、「痛気持ちいい」と感じるくらいの強さで叩いた後、反対の脚も同様に行う。
→高血圧が気になる人に!ふくらはぎを鍛える「ミルキングトレーニング」を専門家が伝授
【6】貧乏ゆすりも効果的
座りながらできる効果的な運動もある。
「マナー違反とされる『貧乏ゆすり』でもふくらはぎが鍛えられ、血管を広げる運動になる。座りっぱなしの状態でも、少しでも足を動かすことが大切です」(渡辺さん)
【7】手のつぼ「合谷」で血流改善
並行して取り組むべきは、親指と人さし指の間にある「合谷(ごうこく)」のつぼ押しだ。「ふくらはぎ叩き」と並行して押すことで血流が促される。