四十肩の主婦がNHK「テレビ体操」を2か月やってみたら…
フォロワー17万人突破 ツイッター主婦・ 深爪さんが女性セブン誌上に連載しているコラムシリーズ「立て板に泥水」。今回のテーマはNHKのテレビ体操だ。
「四十肩です」と医師に告げられた
ある朝、突然左肩が上がらなくなった。正確にいうと、痛くて腕が上げられないのである。寝違えたのだろうと放置していたのだが、1週間経ってもまったくよくならない。さすがに不安になったので整形外科を受診すると、「肩関節周囲炎、いわゆる四十肩です」と、医師に告げられた。
ちょっと前に婦人科で更年期障害と診断され、今回は四十肩。着実にババアの階段を上っている私である。先生に、「軽い運動やストレッチをしてください。もうこれ以上は痛くて無理っていうちょっと手前くらいまで動かしてくださいね。ラジオ体操がオススメですよ」と言われたので、翌日からNHK『テレビ体操』を見ながら運動をすることにした。
『テレビ体操』とは、NHKのEテレなどで放送されており、Eテレでは、毎週月曜から日曜の午前6時25分から10分間流れている。オリジナルの部分運動で体を温めた後に、ラジオ体操第1か第2で仕上げをする構成になっている。
1日たった10分間体を動かすくらいで何かが変わるとは思えない。しかも、ラジオ体操って(笑い)、と完全に小馬鹿にした感じで始めたのだが、インストラクターさんの指示通りに体を動かすと意外にも、きっちり運動した感を味わえた。ほんのり汗ばむほどである。さすが半世紀以上の歴史ある体操だ。
2か月続けたら、ぐるんぐるん腕を回せるようになった
毎朝テレビに向かって体操をすること約2か月。体に変化が起きた。左肩の痛みがほとんどなくなったのである。もう、グルングルン腕を回せる。鎮痛薬も効かなかったあの激痛が、よもや日々10分の体操で治るとは。『テレビ体操』、すごい。
また、私はメンタルの不調で時々ベッドから起き上がれなくなることがあるのだが、思えばしばらくそんなひどい状態に陥っていない。調べたところ、ラジオ体操は四十肩を治すだけではなく、メンタルの改善にも役立つようだ。
一定のリズムで有酸素運動を行うと、セロトニンというホルモンが分泌されるという。セロトニンは気持ちを安定させ、ストレス解消や睡眠を促進する効果があるので“幸せホルモン”とも呼ばれている。低強度のリズミカルな運動をルーティン化するのが最適だそうだ。そんなことはまったく知らなかったが、ラジオ体操は“幸せホルモン”を放出するにあたって、まさにうってつけの運動だったのである。
たった10分で幸せになれる
朝のたった10分間で幸せになれる。なんとお手軽な方法だろう。ちなみに、オンタイムで『テレビ体操』が見られない時のために毎日録画予約している。
「ラジオ体操なんていつも同じだろ? なんで毎日録画?」と思われるかもしれないが、毎日違ったウオームアップがあるし、インストラクターさんも日替わりだからである。私は笑顔が素敵なナイスミドルの多胡肇(たごはじめ)さん推しだ。番組終わりの多胡さんの、「今日も1日お元気にお過ごしください!」の呼びかけを聞くと、なんだか本当に元気がわいてくる。
心身ともに疲れたみなさんにはぜひ、『テレビ体操』をお試しいただきたい。
深爪(@fukazume_taro)
時事ネタやネットの出来事を日々つぶやいている主婦。著書に『深爪式~声に出して読めない53の話~』『深爪流~役に立ちそうで立たない少し役に立つ話』(ともにKADOKAWA)がある。
※女性セブン2019年11月28日号