認知症の母がテレビのリモコンをなくしてしまう!困った問題を解決した100均アイテム
岩手・盛岡に暮らす認知症の母を東京から通いで介護している作家でブロガーの工藤広伸さん。認知症の進行とともに母の行動で困ったことが増えてきて、さまざまな道具を駆使して対策をしてきた。そんな中、テレビのリモコンがたびたび行方不明になるという問題が。困った工藤さんが頼った100円ショップのアイテムと工夫を教えてもらった。
母の行動パターンからリモコンを探す
今に始まったことではありませんが、わが家では居間にあるテレビリモコンが頻繁になくなります。母がデイサービスに持っていったり、ドライバーなどの工具が入っている引き出しに片づけたりするためですが、母が忘れてしまうのでなかなか見つかりません。
認知症の進行とともに、リモコンが行方不明になる頻度も捜索時間もどんどん増えていったので、その都度対策をしてきました。
認知症が軽度だった頃の母にリモコンの場所を尋ねると、デイサービスの人が持っていったと返答され認知症の症状のひとつである、もの取られ妄想が多くありました。それでも居間のどこかにリモコンがあったので、割とすぐに見つけられました。
認知症が重度まで進行した今はというと、居間だけを探してもリモコンは見つかりません。捜索範囲はどんどん拡大し、寝室や仏間、台所など、リモコンを必要としない場所まで探さないといけない状況になってしまいました。
これまでにリモコンが見つかった場所は、寝室のタンスやふとんの中、デイサービスに持っていくバッグの中などです。なぜこんなところにリモコンが? といつも思いますが、母に聞いても理由は分かりません。
それでも何年も探し続けていると、経験則からリモコンの場所を特定できるようになり、捜索時間も短くなりつつありました。しかし最近は経験則が通じなくなり、食器棚や化粧ポーチの中、コタツの敷布団の下など、何日もリモコンが見つけられません。
リモコンがないとテレビの操作ができなくなるので、別の方法でカバーするようになったのです。
スマートリモコンでテレビを操作する
実家の居間には、スマートリモコンが設置してあります。わたしのスマートフォンがあれば、アプリ上でテレビのチャンネルを替えたり、電源を切ったりできるのです。
わたしが帰省しているときは、このスマートリモコンで急場を凌ぎながら、リモコン探しをしていました。しかしわたしが不在のときは、母がチャンネルを替えられませんし、訪問介護で来てくださるヘルパーさんもテレビの電源を切れません。
スマートリモコンは遠隔操作が可能なのでリモコンが見つかるまでの間、わたしが東京から操作していた時期もありました。しかしずっと遠隔操作をするわけにもいきませんし、岩手の実家に居る人が自らテレビの操作をしたい場面もあります。そこで別の方法を試してみたのです。
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テレビリモコンを紛失しないための工夫
テレビのリモコンを紐で縛って、コタツの柱に括りつけたら紛失防止になるかもしれないと思って、専用の紐をネット上で探してみたのですが残念ながら見つけられませんでした。
一般的な紐を購入しようと思ったのですが、そもそもリモコンに紐を通す穴なんてありません。母が紐を切ってしまう可能性もあるので、この案は却下しました。
実は以前、母がテレビリモコンを壊してしまったときに、新しく買ったリモコンがありました。しかし見た目が違っていたせいか、新しいリモコンの使い方が分からずに全く使ってもらえなかったのです。
それで自分の部屋に保管していたのですが、あまりにテレビリモコンがなくなるので、このリモコンを復活させて2台にしてみたのです。1台紛失したとしても、もう1台のリモコンがあればテレビを操作できます。
復活させたもう1台のテレビリモコンを居間のコタツの上に置くと、2台ともリモコンがなくなる可能性があります。そこで新しいリモコンだけ、ある工夫を施してみたのです。