「カット野菜冷凍」で味しみ料理が手早く作れる「キャベツやきのこ、にんじんも賢く冷凍して節約」
料理を手早く作れて節約できる、食品ロスの少ない「カット野菜冷凍」を始めてみませんか。よく使う野菜や食材にちょっとした工夫をして冷凍するだけ。冷凍食材にくわしい専門家の解説と、人気料理研究家の島本美由紀さんによるレシピも紹介。短時間で味しみ料理が手早く作れちゃいますよ。
※材料は記載のないものは全て2人分。
冷凍保存の極意
冷凍保存でおいしさを保つための極意を、冷凍学の専門家である東京海洋大学特任教授・鈴木徹さんはこう話す。
「基本は新鮮な食材を、できるだけ空気に触れないように密閉して保存すること。食材は乾燥と温度変化によって傷みやすくなるので、【1】生のまま、【2】加熱して酵素の働きを止めて食感・色・栄養を残す(ブランチング)、【3】下味をつけるなど、それぞれの食材の特性に適した方法を選ぶといいでしょう。とはいえ、たいていの野菜は1か月程度で消費するので、生のまま冷凍しても品質はあまり変わりません」(鈴木さん)
また、どのように食べるかを考えてから解凍するといいとも。解凍しながら温め直すなら、熱湯解凍や電子レンジ解凍を。スープや煮物にするなら凍ったまま使う。魚や果物などを生で食べる場合は氷水につけて溶かす。肉や魚を加熱調理するなら、流水解凍や冷蔵庫解凍を行って。
『キャベツ』の冷凍保存
冷凍するとやわらかくなるので、温めるだけでOKに
1玉買っても新鮮なうちに食べ切るのが難しい野菜は、冷凍保存すれば味も栄養価もキープできる。キャベツは冷凍するとシャキシャキ感はなくなるが、やわらかくなるのでスープや煮込み料理におすすめ。凍ったまま調理を。
◆洗って水気を拭く
洗ってからざく切りにしたら、水気をしっかり拭き取る。水分が残っていると劣化しやすい。
◆空気を遮断する
冷凍用保存袋に入れたら、上から押さえて空気を抜くこと。乾燥と酸化が防げて、冷凍食材が長持ちする。
■保存期間
4~6週間
■冷凍方法
食べやすい大きさに切り、保存袋に入れて空気を抜いて密閉し、冷凍する。
■解凍・調理法
凍ったままでスープや煮込み料理にすると、やわらかい食感になる。炒め物にしても味が染みやすい。
●キャベツと鶏肉の煮物
【1】鶏もも肉1枚はひと口大のそぎ切りにし、小麦粉(適量)を薄くまぶす。
【2】水3/4カップ、みりん大さじ2、しょうゆ大さじ1、顆粒和風だし小さじ1/2を混ぜておく。
【3】鍋にごま油大さじ1を入れて中火で熱し、【1】を入れて焼く。全体に焼き色がついたら【2】を注ぐ。
【4】煮立ったら冷凍キャベツ200g(春キャベツ約1/5個分)とせん切りにしたしょうが1/2片分を加え、キャベツがしんなりするまで煮る。
『きゅうり』の冷凍保存
水分が多い野菜は冷凍前に塩もみをしてよく絞っておく
きゅうりは水分が95%もあるため、そのまま冷凍して解凍すると、細胞壁が壊れて食感が悪くなる。シャキシャキ感を残すためには、塩もみをして水分をできるだけ除いておくことが大切。
◆塩もみをして水分を出す
小口切りにしてから塩(1本につき小さじ1/4程度)をまぶし、5分ほどおく。
◆しっかり絞ってからラップに
両手で水分をしっかり絞り、1本分ずつラップでぴっちり包み、保存袋に入れて冷凍する。
■保存期間
4~6週間
■冷凍方法
小口切りにして塩もみし、水気を絞ってから冷凍する。
■解凍・調理法
冷蔵室に移して解凍し、出てきた水気をよく絞ってから調味すること。
●鮭ときゅうりの混ぜご飯
【1】冷凍した塩もみきゅうり2本分は冷蔵室で解凍し、水気を絞る。
【2】ご飯2膳分に【1】と鮭フレーク30g、白いりごま小さじ2を加えて混ぜる。