兄がボケました~若年性認知症の家族との暮らし【第194回 干支をひと回りいたしました】
若年性認知症を患う兄が元気だった頃から入っていた保険は、要介護状態になったら、保険料の支払いが免除されるという特約がついていた!一緒に暮らす妹のツガエマナミコさんに届いた朗報ですが、条件によって免除かどうかは不明という状況。今回はその続報です。先日、めでたくお誕生日を迎えたマナミコさんが現在の心境を語ります。
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祝!マナミコ還暦
「……男の子は何人?」
夕食の調理をしていると突然にこんな言葉を投げかけられました。
兄の頭の中にはいったい何が映っていたのでございましょうか。わたくしには「?」しか浮かびませんでした。
「どういうこと?」というと「女の子男の子が何人か…いるのかな?」とのこと。情報量がほとんど増えないので困っていると「ここ、いるんだよね?ちっちゃい子」とさらに意味不明。
「男の子はお兄ちゃん1人、女の子はマナミコ1人。ここは2人で住んでいるんだよ」と答えてみましたが、兄は小首をかしげて納得しない様子でございました。
しばらく、Q「子どもたちは何人?」、A「子どもはいないよ」という押し問答が続きました。でも、いくら言っても納得してくれないので、最終的には「ああ、あの子たちね。もう自分のお家に帰ったんじゃ