年金で入れる「ケアハウス」とは?種類や入居条件、費用、サービスを解説 入居した父親が退去を余儀なくされた実例も【FP解説】
介護施設には様々な種類があるが、中でも「ケアハウス」は比較的低料金で利用できる公的な介護施設だ。ケアハウスは、「軽費老人ホーム」とも呼ばれ、種類によって入居条件などが異なる。父親がケアハウスに入居した経験をもつファイナンシャルプランナー・行政書士の河村修一さんが、自らの体験をふまえ、ケアハウスの基本について解説。種類や入居条件、費用などについて解説いただいた。
「ケアハウス」は公的な老人ホームのひとつ
高齢者施設には様々な種類がありますが、大きくは「民間型施設」と「公共型施設」に分けることができます。
「民間型施設」には、介護付有料老人ホームや住宅型有料老人ホーム、グループホーム、安否確認や生活相談などが付いた高齢者向け賃貸住宅であるサービス付高齢者向け住宅などがあります。
「公共型施設」には、「特別養護老人ホーム」「介護老人保健施設」「介護医療院(2018年4月に創設)」「介護療養型医療施設(2024年3月末廃止)」「軽費老人ホーム」があります。
介護保険施設のうち、特別養護老人ホームのみ原則、要介護3以上の方が対象になります。その他の施設は、原則、要介護1以上の方が対象となります。
軽費老人ホームには、A型・B型・C型があります。C型は「ケアハウス」と呼ばれる施設のことです。A型とB型は2008年以降、新設は認められておらず、軽費老人ホームは「ケアハウス」に一本化されています。
ケアハウスの種類と対象者
ケアハウスは、自治体からの財政支援で設立・運営されており、「無料又は低額な料金で、食事の提供その他日常活上必要な便宜を供与することを目的とする施設」となっています。
ケアハウスには、都道府県から「特定施設入所者生活介護」の指定を受けた「介護型」、指定を受けていない「自立型」の2種類があります。自立型は一般型とも呼ばれます。
また、2010年以降、首都圏や近畿圏、中部圏などの都市部で「都市型」軽費老人ホーム」という形態も登場しています。こちらは、設置基準や職員配置の特例が設けられており、都市部以外の地域の軽費老人ホームと同程度の低料金で利用できるのが特徴です。
自立型は、60才以上(夫婦で入居する場合はどちらか一方が60才以上)で、自立した生活はできるが健康面で不安を感じている方で、家族による援助が困難な人が対象になります。一方、介護型は65才以上・要介護1以上が対象となります。