兄がボケました~若年性認知症の家族との暮らし【第171回「にぃさんぽ」悪夢再び その1】
若年性認知症を患う兄が、突然家から姿を消してしまうという大騒動があったのは今年の春のことです。兄は無事でしたが、警察に捜索願を出し、見つかったのは、翌日、それも自宅からかなり離れた県外でした。それから半年が過ぎ、またもや兄の行方がわからなくなってしまったのです。その顛末を3回にわたりお伝えします。

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朝、「おはようさん」と兄の部屋のドアを開けると、無造作に敷かれたお布団があるだけで、人の気配がありませんでした。そうです、また兄が消えたのです。
→第146回を参照
(※すでに無事に帰ってきて、元気にデイケアも行きましたのでご心配なく)
(※「にぃさんぽ」は「兄さんのひとり散歩」の略byツガエ)
「冷たくしちゃったからな…」と猛省するのもいつものことなら、「そういえば夕べは少し変だった」と思うのも、そうなってみないとわからない相変わらずのポンコツ介護者でございます。
そもそも兄がうっとうしくて仕方がなく、1日の大半をわたくしは自室のパソコンにはりついておりまして、「一緒に住んでいるだけありがたく思ってよね」というゆがんだ心根で暮らしておりますゆえ、優しい言葉がけや温かみのある態度に乏しいと