代々のお墓がないR60の記者がとことん取材「そもそも必要?選びのポイント・費用は?」
「お墓は、家を買うときに『一戸建てを建てる』か『マンションの部屋を買うか』といいう選択のように、まず、『お墓を建てる』か『お墓を建てない』か、いずれかの選択肢で選ぶといいでしょう」
お墓を建てる場合と建てない場合の流れは以下のようになる。
「お墓には、大きく分けると代々受け継いでいく『一般墓地』と、一代限りの『永代供養墓』に分かれます。さらに、永代供養墓は、『納骨堂』と『合祀墓』※に分けられます。
要望や状況に応じて、適したお墓を選ぶことが大切です」(お墓の選び方は後述)
※納骨堂は、一般的に屋内で個人や家族単位で遺骨を預けるが、合祀墓は、屋外が多く他の遺骨と合わせて納骨する方式。
お墓にかかる費用は? 都心の一例で約280万円
「『お墓を買う』とよく言われますが、実はお墓を買うのではなく、お墓として使用するための土地を無期限に借りられるように、永代使用料を払うことで『無期限の使用権』を買っています」
なお、一般墓地にかかるお墓関連の費用は、おもに「墓石費用」「永代使用料」「管理費」の3つ。
「永代使用料は都会にある立派なお墓ほど高いです。東京23区内は東京郊外より3割ほど高く、墓石は石材の産地や量によっても変わります。管理費も都市部ほど高いです。自治体が運営する霊園などの場合、永代使用料にあたるものが墓地使用料です」
お墓の関連費用の例
墓地使用料<貸付のみ>(4.0㎡)119.6万円
お墓購入価格 160.1万円
合計 279.7万円
年間管理料 3,760円
注1.墓地使用料・年間管理料は東京都公園協会による都立八王子霊園(2021年度公募)の例。注2.お墓購入価格は全国優良石材の会「2021年お墓購入者アンケート調査」の全国平均値(地域によっては墓地使用料が含まれる場合がある)。
※出典/公益財団法人 生命保険文化センター
お墓を検討するタイミングはいつ?
お墓を持つタイミングは、おもに『葬儀の後に家族が探す』『生前に自分で探す』の2通りあると、市川さん。
「何才ごろからとか、いつまでにといった決まりがあるものではないので、必要に感じたときや気になり始めたときがそのタイミングになるでしょう。
また、公営の場合など、墓地の規定によっては生前に申し込むことができない(遺骨がなければ申し込めない)場合もあるので、選ぶ墓地によってもそのタイミングは変わります」
お墓を購入するタイミングが、生前・没後どちらになる場合でも、普段から情報収集しておくことが大切とのこと。