掃除で体幹を鍛えて美しくなる4つの極意「健康美掃除」のやり方を清田真未さんが伝授
忙しい家事タイムは、体幹を鍛えるチャンス!中でも「掃除」は絶好のトレーニングアイテム。なぜなら、体の使い方を工夫するだけで体幹が鍛えられ、シェイプアップにもつながるからです。「美そうじ(R)コンサルタント」の清田真未(せいたまみ)さんに、その極意を聞きました。
美と掃除のカリスマが伝授!体幹強化を後押しする“健康美そうじ”術
清田さんは、以前は掃除が大の苦手だったが、心機一転やり始めると、一石五鳥くらいのメリットがあったという。
「真剣にやるとすごく疲れるので、『やせるかも?』と、手足やお尻を意識して掃除したところ、1か月でウエスト1.5cm減。家も体も整って家族にも喜ばれました」(清田さん・以下同)
美そうじの動きは、スポーツ健康医科学の研究者が監修した科学的根拠に基づくもの。体幹を使うため、高齢者の健康寿命延伸対策としても注目を集めている。
「講習に行くと、『まわりに迷惑をかけず、いつまでも自分の力で生活したい』と考える中高年のかたがとても多い。そこで、家事に運動を取り入れれば、家全体が立派なジムとなり、外出できない日も運動不足を解消できます」
ふだんの掃除で気をつけたいのが、『健康美そうじの3鉄則』だ。
■健康美そうじの3鉄則
●姿勢よく行う
●呼吸を止めない
●両手を使う
「前屈みになる作業が多いので背筋を伸ばし、若々しい姿勢を心がけましょう。掃除に集中すると呼吸が浅くなるので気をつけてください。また、ぞうきんや掃除機がけは、利き手だけで行いがちですが、反対の手も使ってみると、ふだん使われない筋肉が刺激され、体のバランスが整います」
すべての掃除を美そうじにするのは大変なので、まずは毎朝5分、実践しやすい場所を掃除してみよう。
「朝行うと体が目覚めて血流がよくなり、一日の行動量がアップしますよ」
『健康美そうじ術』4つの極意
【1】ぞうきん絞りの極意
「夏でも足先や指先が冷たい」という冷え症の人におすすめなのが、ぞうきん絞り。
「ぞうきんを横に絞るかたが多いと思いますが、美そうじでは重力に逆らわず、上から下に縦に絞る方法を推奨しています。まず、お湯で濡らしたぞうきんの上部を両手で握り、指先を使って外側から内側に向かって絞ります。そして、下部も同様に、2回に分けて絞ります。絞るときは、手と腕にぎゅっと力を込めると静脈血とリンパの流れが増大し、手先がぽかぽかしてきます。
さらに、腕の筋力強化とバストアップにも効果があります。応用編として、絞っているときに“つま先上げ→つま先立ち”を繰り返すと、下半身の血流もよくなりますし、ヒールを履いて前傾になった足の矯正にも効果があります」
【2】拭き掃除の極意
ぞうきんを手のひらサイズに折りたたむと、掃除の効率とともに運動効果も上がる。
「手のひらで、ぞうきんと拭きたい場所を押しつけるようにして腕を伸ばし、上半身を使ってコの字に拭きます。右手で左→右に向かって拭いたら1列下げ、左手にぞうきんを持ち替えて右→左に拭く。これを下まで繰り返します。
応用編として、水拭きとから拭きを一度にすると、運動効果も上がります! やり方は、まず右手で1列水拭き、次に水拭きをしたところの上に左手で“からぞうきん”を置き、その下側に右手で“濡れたぞうきん”を置き、同時に動かして窓を拭きます(下まで同様に)。大きな窓なら、下に向かうにつれスクワット運動が加わるのでひざ痛予防になります。また、背筋と腰を伸ばすように机を拭けば腰痛予防になりますよ」
<窓の拭き順>
【3】払い掃除の極意
肩こりにいいのが、腕を高く伸ばして行う払い掃除。足の動きを加えてバランス感覚と下半身の筋力を養えば、転倒予防にもなる。
「“ほこり取りモップ”を右手に持ち、右→左にかけたら、左手に持ち替えて右→左へ、部屋を一周するように払っていきます。このとき、肩甲骨を動かすように無理のない範囲で動かすと、肩まわりが気持ちよく伸びます」
余裕があれば、反対向き(壁に背を向けた状態)で同様に行うと、背筋も伸び、背中全体の運動になる。
「写真のように、かかとを蹴り上げるように足踏みをしながら払い掃除をすると、スクワットの動きが加わり、下半身が鍛えられます」
【4】掃除機・モップがけの極意
体幹が鍛えられ、全身のバランスも整えるのにおすすめなのが掃除機やモップがけだ。バレエダンサーの気分で、優雅にかけてみよう。
「フローリングの目地に沿ってコの字に進みます。やり方は、床用モップを右手に持ち、右足を前に出します。その姿勢をキープしたまま、体重を前方に移動しながら右手を伸ばしてモップで床を拭きます(伸ばす距離は写真を参考に)。このとき、左手は後方に伸ばします。次に、体重移動を意識しながら右肩から後方に引き、左手を前に伸ばします。1列進んだら、次の1列は左手に持ち替えて同様に」
全身を使って「運動した!」と実感できる。
「掃除機がけも同じです。押し出すときにお尻を締め、ゆるめながら後ろに引くようにすると、骨盤底筋が鍛えられ、尿漏れ予防にも役立ちます。掃除嫌いの人も、『お尻を鍛えるチャンスだ!』と思えばがんばれます。これが習慣になると、やらないと落ち着かなくなりますよ(笑い)」
教えてくれた人
美そうじ(R)コンサルタント 清田真未さん
整理収納・ハウスクリーニングの『真栄コーポレーション』代表。10年で1500件以上の家庭の片づけ・掃除を手掛ける。著書に『1日5分で家じゅうどこでもダイエット やせる掃除!』(かんき出版)がある。
取材・文/佐藤有栄
※女性セブン2022年9月8日号
https://josei7.com/
●比叡山大阿闍梨・光永圓道師が説く”掃除”の極意「毎日の掃除は良く生きるための儀式」