ちむどんどんで注目!沖縄料理レシピ4選「ラフテーやゆし豆腐」をおいしく作るコツ|宮澤かおるさん
NHK連続テレビ小説『ちむどんどん』で注目が高まる沖縄。登場するおいしそうな沖縄料理を見て、「食べたい!」と思っている人も多いはず。うちなーんちゅが、ホントに家庭で食べている味を完全再現。おうちにいながら沖縄気分を満喫できますよ!
健康長寿の知恵が詰まった“ぬちぐすい”
沖縄で滋養のある食べ物などに使われる「ぬちぐすい」という言葉。その意味は、「命の薬」。沖縄料理研究家で管理栄養士の宮澤かおるさんは、医食同源が根付く沖縄料理に魅せられ、研究を重ねているという。
「沖縄料理で伝統的に使われている食材は、豚肉や豆腐、海藻、野菜など栄養のバランスがよいものばかり。調味料もミネラル豊富な塩や、素材の味をいかす黒糖を使用。泡盛で食材のくさみを取り、かつおだしであっさりとシンプルな味つけにするのが特徴です。長寿食として知られる沖縄料理を、ぜひ普段の食卓にも取り入れてみてください」(宮澤さん・以下同)
ラフテー
かつおだしと泡盛で煮込むごちそう肉料理
「ラフテーは、沖縄の伝統的な肉料理のひとつ。2~3日は日持ちするので、昔は保存食として作られていましたが、近年ではおもてなし料理として人気です。煮込むときの泡盛は、30度以上のものを使うと、味が浸透しやすいですよ」
<材料>(作りやすい分量)
豚バラかたまり肉…500g
だし汁(かつお)…3カップ
泡盛…1カップ
砂糖(または黒糖)…大さじ3
しょうゆ…1/2カップ
<作り方>
【1】鍋に豚バラ肉と肉がかぶる程度の水(分量外)を入れて火にかける。沸騰したらゆでこぼす。
【2】再び鍋に肉を入れ、【1】と同量の水を加えて強火で熱し、沸騰したらあくを取り除く。弱火にして沸騰させたまま、1時間ゆでる。
この工程までを前日に仕込んでおけば、冷める過程でラードが取れる。ラードはアンダンスーなどの料理に活用。2日かけて作る場合は、【2】の粗熱が取れたら鍋ごと冷蔵庫で保存する。
【3】肉を鍋から取り出し3cm角に切る。
【4】別の鍋に【3】の豚肉とだし汁、泡盛を入れて火にかける。沸騰したらあくを取り除き、弱火にして約10分煮込む。砂糖を入れてさらに約10分煮た後、しょうゆを加える。
【5】落し蓋をして30~40分煮込む。
<ラフテーそばの具材に>
2回目に豚肉をゆでた際のゆで汁は、豚肉のだし汁として沖縄そばに欠かせない。かつおだしと合わせてラフテーそばのスープに。
サーターアンダギー
揚げたては絶品!縁起もののおやつ
サーターは「砂糖」、アンダギーは「揚げ物」の意味。生地に入る亀裂が笑った口元に似ているため、縁起のいいお菓子といわれている。紅いもを混ぜたり、すりおろしたゴーヤーを混ぜたりといったアレンジも。
<材料>(約12個分)
小麦粉…200g
ベーキングパウダー…小さじ1
揚げ油…適量
【A】
卵…2個
グラニュー糖…120g
サラダ油…小さじ2
<作り方>
【1】小麦粉、ベーキングパウダーを合わせ、ふるっておく。
【2】ボウルに【A】を入れて泡立て器で静かに混ぜる。【1】を加えてへらで下からすくうように軽く混ぜてひとまとめにし、ラップをかけて冷蔵庫で約20分おく。
【3】手に小麦粉(分量外)をつけ、スプーンですくった【2】の生地を約3cmの大きさに丸める
【4】揚げ油を170℃に熱し、【3】を鍋肌から1個ずつ静かに入れる
【5】生地が浮んできつね色になり、竹串で刺しても生地がついてこなくなるまで揚げる。
ゆし豆腐
朝ごはんにも欠かせないあったかやさしい味
できたて熱々をスープ代わりに食べるのが沖縄流。「にがりの代わりにミネラル豊富な塩、『ぬちまーす』を使っても作れます」。豆乳は大豆固形分10%以上のものでないと固まりにくいので要注意。
<材料>
無調整豆乳(大豆固形分10%以上)…2カップ
にがり…小さじ1
万能ねぎ(小口切り)…大さじ2
【A】
だし汁<かつお>…11/2カップ
塩・しょうゆ…各小さじ1/3
<作り方>
【1】鍋に豆乳を入れて弱火で温め、沸騰直前で火を止める。
【2】にがりを加えて静かにかき混ぜ、ふたをして約15分蒸らす。
【3】豆腐が固まったらお玉ですくい、器に盛る。温めた【A】を注ぎ入れ、ねぎをのせる。
アンダンスー(油みそ)
ご飯もお酒もすすむ甘辛味
アンダは「豚の油」の意味。冷蔵で1週間程度は日持ちする沖縄の常備調味料のひとつで、おにぎりの具材、炒め物などにも最適。ラードがない場合は、豚こま切れ肉を豚バラ肉に替えて、肉の脂を活用してもいい。
<材料>(作りやすい分量)
豚こま切れ肉…60g
ラード…小さじ2
【A】
砂糖・泡盛各大さじ…3
みそ〈甘口〉…100g
<作り方>
【1】豚肉はゆで、火が通ったら細かく刻む。
【2】フライパンにラードを熱し、溶けたら【1】を加えて軽く炒める。
【3】【A】を加えて弱火で練るように加熱する。つやが出たら完成。
※砂糖の量はみその甘みによって調整を。
教えてくれた人
沖縄料理研究家 宮澤かおるさん
沖縄食材や料理を広める活動家として、沖縄の方言「ぬちぐすい」(命の薬の意)をモットーにレシピ考案や沖縄の食情報を配信。
撮影/玉井幹郎、武井メグミ スタイリング/片野坂圭子、宮沢ゆか 調理協力/店長 佐藤啓光、濱元雅史(沖縄酒場みんさぁ) 取材・文/番匠 郁
※女性セブン2022年6月16日号
https://josei7.com/
●豚かたまり肉で煮込み料理|黒酢・台湾風の角煮バリエや紅茶煮、ももハムも!|小林まさみさん