疲れにくい体に!肝機能を向上する生活習慣|「1日1食、主食を卵2個に」「肝臓もみ・半身浴で肝臓の血行促進」
“沈黙の臓器”とも言われる「肝臓」は、不調に気付きにくいもの。そのため普段からケアをすることが大事になってくる。そこで、手軽にできる、肝機能アップ方法を専門家が伝授します。食事・ツボ押し・エクササイズ・入浴法など日常に取り入れられるものばかり。肝機能が向上すれば、疲れにくく、やせやすい体になり、全身の血流がよくなってそのほかの臓器の働きが向上し、体温も上がるという。肝機能アップ生活で元気に毎日を過ごしませんか。
1.主食を卵2個に変える
肝機能を上げるには、まずは食生活から。といっても、ストイックな食事制限や禁酒、激しい運動をする必要はない。
「お酒は一般的に、男性なら平均して1日2ドリンク(※)まで、純アルコールなら20gまでが許容量とされています。女性はもっと少ない方がいい。週2回ほど休肝日を設けるのが目安です。肝臓に負担をかけるのは、アルコールと脂肪、糖です。極力、炭水化物や甘いもの、揚げものよりも、肉や魚、大豆、乳製品、卵などで良質なたんぱく質を多く摂ることを心がけてください。代謝に欠かせないビタミンやミネラルを緑黄色野菜や海藻類、きのこ類で摂ることも意識してください。二日酔いに効くとされるあさりやしじみは肝機能を高めることがわかっているので、積極的に摂ってほしい」
川西さんは、卵を主食にすることをすすめる。卵には良質なたんぱく質やビタミンなどがバランスよく含まれ、“鶏1羽分の栄養素”が丸ごと摂れる食材だからだ。
「実は私も以前は脂肪肝でした。それが、ご飯の代わりに卵を2個食べるようにしたら、肝臓の数値が改善し、体重も2年間で20㎏も減ったのです。食事以外は一切変えず、運動も犬の散歩くらいしかしていません(笑い)。プロテイン(たんぱく質)配合のドリンクや補助食品、ビタミン・ミネラルのサプリメントなどは必ず添加物が入っており、肝臓はそれらを解毒するために働かなければいけなくなる。サプリメントをのむよりも、卵をたくさん食べる方がよほど“クスリになる”といえます。まずは1日のうち1食でいいので、卵2個を主食にする“にこたま療法”を。調理方法は自由で、ゆで卵でもオムレツでも、プリンでもかまいません」(川西さん)
2.飲みすぎた翌日はプチ断食
高林さんがすすめるのは、食べすぎたり、お酒を飲みすぎてしまった翌日のプチ断食。その日の朝食だけを抜いて空腹時間を長くすることで、肝臓を休めるのが目的だ。
「本来、人間は 1日2食が自然だといわれており、江戸時代まではそれが当たり前でした。実際に、12~16時間の空腹時間をつくることが内臓を休め、機能を高めることがわかっています。現代人は、1日3食も食べているだけでなく、食事内容が炭水化物や油ものに偏り、たんぱく質やビタミン、ミネラルが不足して“食事量や摂取カロリーは多いのに栄養不足”という人も多い。これでは、肝臓は脂肪や添加物の分解で疲弊してしまいます」(高林さん・以下同)
(※)厚労省「飲酒量の単位」「飲酒のガイドライン」による。1ドリンクの目安は、日本酒なら80ml(0.5合)、ビールなら250ml、焼酎なら50mlとされ、いずれも含まれるアルコールは約10g。
3.週に一度の半身浴で血流をアップ
高林さんによれば、肝臓は高温臓器。心臓の温度が40℃前後なのに対し、肝臓はそれよりも温かい41℃だ。機能を上げるには、肝臓を冷えから守ることが重要。そのために有効なのは、週に一度の半身浴だ。
「38~40℃のぬるめのお湯に、肝臓のあるみぞおちのあたりから下まで5分間つかり、湯船から上がって5分間休む。これを3回繰り返してください。温熱作用、発汗作用で血流をよくして、肝機能の向上に役立ちます。外側から体を温めると、体の表面に血液が集まる一方、半身浴ならお湯に触れる面積が狭いので、肝臓に充分な血流を保ったまま、効果的に体を温めることができます」
もちろん、白湯などの温かいものを飲んだり、湯たんぽやカイロで温めるのも効果的だ。だが、これから春夏を迎えれば、どうしても冷たいものを摂ったり、エアコンで体が冷えることが多くなる。