知らないと損する!介護保険外サービスで頼めること 特徴やメリットを専門家が解説
「認知症によって、財産管理や契約を行う能力がなくなったときに備える任意後見契約や、行政書士等専門職に事務管理を委託する契約をあらかじめしておくこと、成年後見制度を利用するのも保険外サービスの1つです」(鐵さん)
24時間いつでも利用でき、要介護認定などの条件もなく、基本的に誰でも受けられるのが介護保険外サービスの利点。最も利用が多いのは「生活援助」だという。
「介護保険サービスではできないマッサージやおしゃべりも、保険外サービスなら好きなだけできます。保険内のサービスでも会話はしますが、業務の合間でしゃべる程度なので、じっくり話を聞いてコミュニケーションを取るのは難しい。
また、庭の掃除、ほかの家族の分の食事の準備や買い物の代行もOK。年末であれば、おせち作りなど特別な料理を依頼することもできますし、部屋の模様替えをお願いすることも可能です」(大軒さん)
機動的に使えるのもメリットとして挙げられる。
「介護保険サービスは計画に基づいたサービスを提供することになっているため、突発的な出来事になかなか対応できません。
たとえば、『今日は天気がいいから買い物に行きたい』と利用者からお願いされたとき、介護保険サービスでは対応できませんが、保険外サービスなら柔軟に対応できます」(鐵さん)
自宅以外の場所でも介助してもらえるため、行動の幅を広げやすい。
「通院だけでなく、冠婚葬祭や墓参り、友人の家へ遊びに行く際の介添えもお願いできます。車いすやストレッチャーで移動できる人は、家にこもらず、外出も可能です」(大軒さん・以下同)
さらに介護保険外サービスでは、スキルの高いスタッフが対応してくれる確率が高い。
「介護保険サービスでは1年目の新人が担当になることも珍しくありませんが、保険外サービスのスタッフはベテランが多い。そのため、サービスの質が安定しています。
また、家事代行サービスと違って、介護の知識をしっかり身につけているスタッフであることも心強い」
介護保険サービスと家事代行の“いいとこ取り”をして、より利用者の希望に応えてくれるのが介護保険外サービスの特徴と言えそうだ。
介護保険外サービスのメリット【まとめ】
・生活援助の利用が最も多い。庭の掃除、食事の準備、買い物の代行、部屋の模様替え、おせち料理などの依頼も可能
・24時間いつでも利用できる
・要介護認定など条件なし、基本的に誰でも受けられる
・スキルの高いスタッフが対応してくれる確率が高い
・機動的に使え、行動の幅を広げやすい
教えてくれた人
小菅秀樹さん/老人ホーム検索サイト「LIFULL介護」編集長・介護施設入居アドバイザー。
https://kaigo.homes.co.jp/manual/homecare/zaitaku_service/hokengai/
大軒愛美(おおのきまなみ)さん/終末期医療に詳しい看護師。
鐵(てつ)宏之さん/居宅介護支援事業などを手がける鐵社会福祉事務所・代表。
※女性セブン2022年3月31日号
https://josei7.com/
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