危険な”ぎっくり腰”とっさの対処法8つを医師が解説「発症時は温めてはいけない」
ぎっぐり腰になってしまった直後にすべきなのは、以下の3つ!
【1】まずは冷やす
「冷やせばいいのか、温めた方がいいのか」と迷う人も多いが、正解は「冷やす」。「ぎっくり腰は炎症を起こしている状態なので、冷やしてください。氷枕などをタオルでくるみ、痛みのあるところに当てると5~10分くらいで痛みが軽減されてきます。使い捨てカイロや入浴は避けてください」
ただし、それ以上長く冷やすと体が冷えて逆効果になるので、10分程度にとどめよう。
【2】湿布や痛み止めを使う
湿布や痛み止めは、痛みがやわらぐなら使っても問題ない。
「温湿布は貼ると温かく感じますが、実際に温めているわけではなく、冷湿布と効果は同じです。発症した直後にどちらを貼っても問題ありません。また、痛んだ腰まわりの筋肉をサポートするために、コルセットを巻くのもおすすめです」
【3】安静第一で寝る!
応急処置が済んだら、あとは痛みが取れるまでラクな姿勢を見つけてゆっくり寝ていることだ。座るのは腰に負荷がかかるので避けよう。
「あお向けの場合はひざの下に丸めた毛布などを置き、ひざを少し曲げた状態で寝てみてください。横向きの場合は痛い方を上にして寝るといいでしょう。基本は自分にとってラクな姿勢です」
痛みが治まった後は何日間か安静にすべき?
痛みが治まったと感じても、その後の何日間かは安静にしていた方がいいのだろうか。
「痛みがあるうちは無理するべきではありません。でも痛みがやわらぎ、“動ける”と感じるようになったら、なるべく早くふだんの生活に戻しましょう。ただ、右のページで紹介したように重い荷物を持つなど、自分がぎっくり腰になったときと同じような動きは避けた方がいいですね。どうしてもしないといけないような場合は、慎重に行ってください」
病院へは行った方がいい?
痛みが治まったらもう病院に行く必要はないのだろうか。
「椎間板ヘルニアや内臓疾患からくる痛みなど、別の原因である場合も考えられます。動けるようになったらまずは一度整形外科に行き、診てもらった方が安心です」
ちなみに、ぎっくり腰は原則、労災(※1)の対象にはならないが、傷病手当金(※2)の対象にはなる。病院を受診すれば発症日の証明にもなるので、受診しておくのもいいだろう。
(※1)厚生労働省ホームページ「腰痛の労災認定」より。
(※2)病気やけがで仕事を休み、給与等を受けられない期間、生活保障として支払われるお金。社会保険に加入していればもらえる。
教えてくれた人
リペアセルクリニック院長・坂本貞範さん/整形外科をはじめ、内科・脳外科・介護など幅広く活躍。医療法人 美喜有会の理事長であると同時に、最先端医療である再生医療にも力を注いでいる。
取材・文/苗代みほ イラスト/大窪史乃
※女性セブン2022年4月7・14日号
https://josei7.com/
●座ったまま1分で腰痛改善!簡単セルフケア|介護予防トレーナーが指南