危険な”ぎっくり腰”とっさの対処法8つを医師が解説「発症時は温めてはいけない」
春からの新生活に伴って引っ越しや模様替えが多くなるこの時期、併せて増えそうなのが…そう、ぎっくり腰。経験者ならわかる、あの声も出せないほどの痛みは、二度と味わいたくないもの! せっかくの新生活を台無しにしないためにも、ぎっくり腰の原因と予防法、なったときの対処法を覚えておきましょう。
「ぎっくり腰」とは?3つの原因と予備軍チェックリスト
腰痛の中でも特に強烈で、いきなり“グキッ!”という衝撃とともに、激しい痛みに襲われる「ぎっくり腰」。
ドイツをはじめ欧米では、予期せぬ間に数秒で起こり、その痛みの強さから「魔女の一撃」と呼ばれている。
「実はぎっくり腰は通称で、正式名称は『急性腰痛症』といいます。自覚症状としては、突然激しい腰の痛みを感じるのですが、多くは体内で以下3つのどれかが起きています。
【1】硬くなった筋肉が切れたり、裂けたりして、いわゆる『肉離れ』が起きている。
【2】腰椎の椎間板が飛び出て、神経に触れている。
【3】筋肉と筋肉の間にある筋膜が擦れて炎症が起きている」
と言うのは、『リペアセルクリニック』院長の坂本貞範さんだ。
「体が硬い人や筋肉が硬くて筋力が衰えている人は、総じてぎっくり腰のリスクが高い。筋肉と骨はくっついているので、たとえばお辞儀をするとき、筋肉が柔らかければ骨に引っ張られても伸びますが、硬いとちぎれてしまう。筋肉が硬い人ほどちょっとした動きで『ピキッ』とくるわけです。筋肉は食品の“かにかま”のような構造で、どのくらいの量の筋肉がちぎれるかで重症度も痛さも変わります」(坂本さん・以下同)
発症時に注意すべきは、意外にも“温めないこと”だ。
「発症して3~4日を『急性期』、その後を『慢性期』といいますが、これは痛みの度合いとは必ずしもリンクしていません。『急性期』は炎症を起こしている状態なので、その炎症を抑えるために冷やす必要があるのです」
具体的な原因や予防策はあるのだろうか。
下のチェック表に1つでも当てはまる場合は、ぎっくり腰になる可能性がある。
★あなたは大丈夫?ぎっくり腰予備軍チェック表
□ 筋肉疲労がたまっていると感じる
□ 運動不足だ
□ 座りっぱなしの作業やデスクワークが多い
□ 姿勢が悪く、体がゆがんでいる
□ 日頃から重い荷物の上げ下げが多い
「ぎっくり腰はいくつかの原因が絡まって起こると考えられていて、原因を特定することはできません。チェック表に1つでも当てはまる場合は、日常生活を見直し、少しでも改善するよう心がけましょう」
ほかにも、太り気味の人は骨盤が前に出る傾向にあり、腰に負担がかかりやすいため、体重管理に気をつける、筋肉量維持のためにたんぱく質を摂る、といったことも心がけたい。また、ぎっくり腰になると何度も繰り返すという話をよく聞くが、実際はどうなのか。
「生活改善をしない限り、当然、再発の可能性はあります。というのも、一度なった人は患部が傷つき弱っているため、少しの衝撃でも影響を受けやすいからです」
ぎっくり腰が起こる状況として真っ先に思いつくのが、「重い物を持ち上げたとき」。
ところが知らぬ間に予備軍となっていると、何が引き金になるかわからない。これがぎっくり腰の怖さだ。
「歯磨きや物を拾うなど、当たり前の動作をきっかけに起こることも珍しくありません。腰に不安があるなら、かがむ、腰を折る・曲げる、急に振り向くなどの姿勢には注意が必要です。荷物などは体に寄せて持つ、腰を使うのではなく“ひざ”を曲げる、などを意識しましょう」