災害時に生き延びるための防災マニュアル|本当に必要な備え、進化したグッズ、食料
今や、自然災害は他人事ではない。被災者の証言をもとに、明日起こるかもしれない災害に備えた、リアルな防災対策を紹介します。
対策:自宅で備えることはこれ
「防災の基本は、地震を想定して行います」と防災アドバイザーの岡部梨恵子さん。前触れもなく、突然起こる地震に備えておけば、ほかの自然災害にも応用がきくという。
「まずは備蓄。災害後72時間は人命救助が優先されるので、その間、救援物資などは届きません。もしもに備え、7日間以上の水や食の家庭備蓄が望ましいとされています」(以下・岡部さん)
また、地震の際、自宅にある思わぬものが凶器になり、死に至ることもある。
「年齢とともに物をため込みがちになりますが、不要なものは、こまめに捨て、防災を意識した部屋作りを。災害後の片づけもスムーズです」
●新常識1 時計は落ちても割れない材質に
「掛け時計や、絵画の透明カバー部分はアクリル製かプラスチック製のものを選びましょう」。落下時の衝撃が少なく、ガラスの破片が散らばるといった被害を最小限に抑えることができる。「買い替えが難しいガラス製のものは、防災ガラスシートを貼って対策を」。
●新常識2 ポットやテレビは飛んでくる凶器と心得よ
「熱湯の入ったポットはとても危険な凶器。強力な粘着シートで固定し、低い場所に置くようにしましょう」。倒れやすい薄型テレビは転倒防止の固定具をつけて。
●新常識3 インテリアや飾りものは粘着シートやひもで固定
「趣味の小物など、インテリアとして飾りたいものもあるはず。地震のことばかり考えて、好きな部屋に住めないのもストレスなので、工夫して飾ることも大切」
●新常識4 72時間生き延びるために1週間分の食材備蓄を
「コンビニやスーパーで買える食べやすいものでもOK。賞味期限が2年近くあるものを選び、家族の人数×1週間分をストック。災害がなくても2~3か月ごとに1日分を食べ、補充する“ローリングストック”をするとムダなく常に期限内のものが備蓄できます」
1日分の箱には、【1】ご飯、パン、麺類などの主食、【2】大豆製品、肉、魚、卵のタンパク質、【3】野菜、果物、海藻などの食物繊維の入った食品を、家族の人数分×1日(2~3食)分を用意。例えば朝はパンと野菜ジュース、夜はシチュー&ご飯、と組み合わせて食べる。
「災害時はショックから食欲をなくすことも。放置していると、栄養不足で免疫力が低下し、病気を招きます。飴などを口にして、食欲を呼び起こしましょう」
●新常識5 多めのクッションでまずは身を守る
災害時は、上から物が落ちてきたり、最悪、天井が落ちてくる場合も。「すぐにヘルメットなどはかぶれません。グラッと来たら、クッションを頭にかぶり、落ちてくるものが少ない廊下や玄関に移動し、出口の確保を」。来客用に、家族の人数分+2個は用意して。
【ドア】閉じ込められないためにもバールを用意
災害でドアが壊れ、開かなくなってしまうことも。バールがあれば、力の弱い女性でもてこの原理で、ドアをこじ開けられる。「倒れた家具やがれきの持ち上げにも、バールが役に立ったという声は多いですね」。
【食器棚】観音開きの食器棚は危険! 注意が必要
食器棚は危険が多いので、転倒防止策を取って。とくに観音開きの場合は災害時に食器が一気に飛び出してくる場合があるので地震用ストッパーで開かないよう防止。扉がガラスの場合は飛散防止フィルムを貼って。