災害時に生き延びるための防災マニュアル|本当に必要な備え、進化したグッズ、食料
【体験談1】集合場所を決めておく
「2016 年の熊本地震で自宅の一部が損壊。玄関がふさがれ、リビングの窓から出入りをしました。以来、非常持ち出し用品は玄関とリビングの2か所に。また、災害伝言ダイヤルの使い方をメモして持ち歩き、災害時に家族が集まる場所も決めています」(熊本県・主婦・アキさん)
【体験談2】普段から近所で交流を
「西日本豪雨で近所の川が氾濫しました。わが家は高台にあるので無事でしたが、数メートル先の家は全壊。水量を見て避難所に行くのが危ないと判断したご近所さんはすぐにわが家に避難して、一命を取りとめました。普段から、海や川に近い住宅地では、ご近所同士で交流を持ち、いざというときはどこの家に避難するのがいいのかなど、話し合っておくことも大切だと感じました」(広島県・主婦・ケイ子さん)
【体験談3】
簡易シャワーが重宝
「入浴できないとき、体はボディシートや蒸しタオルで拭いたほか、海水浴で使う簡易シャワーが重宝しました。給水車が来たときに使いましたが、暑い時期だったのでとてもスッキリしました」(広島県・主婦・ユウコさん)
除菌スプレーで食中毒予防
「井戸からくませてもらった水はざるとキッチンペーパーでろ過して食器洗いなどに使用。食器にはさらに除菌スプレーをふきかけて食中毒を予防しました。除菌スプレーは何かと大活躍してくれたので、今でも2~3本は買い置きしています」(広島県・主婦・マサヨさん)
避難訓練が役に立つ
「自治体の避難訓練では、避難所がどんな場所か、どのようなルートで逃げるのが安全かなどもレクチャーしてくれます。近隣の人や家族で防災について話し合っていたことがかなり役立ちました」(大阪府・主婦・ハツミさん)
【グッズ】本当に必要な防災グッズを厳選!
非常持ち出し袋の中身は、品質の高いものを優先すること。すぐに持ち出せる場所に置き、重さは6㎏以内に。
【普段から持ち歩く】
必要最低限のグッズはバッグにいつも入れておきたい。普段の荷物の負担を減らすために、できるだけ軽量のものを選ぼう。
●ホイッスル
身動きが取れないときや閉じ込められたとき、音で知らせる。人間の耳に最も聞こえやすい2種類の音を同時に発することができる。
●1回用充電池
最大4時間のスマホ充電ができ、未使用で10年間もつ。iPhone、Androidなどほとんどのスマホに対応。重さ35gと小さくて軽い。
●マスク
倒壊した建物から出るアスベストなどを吸い込まないための防塵用のマスク。防塵用はなくても、薄手のものは普段から持ち歩くように。
●スーパーのレジ袋
足に巻き付ければ防寒に、水を汲むバケツ代わり、手袋代わりになるなどさまざまな用途があるレジ袋。大小そろえて入れておこう。
●ティッシュ、カット綿
ケガをしてしまったときの消毒や血止めなど応急処置のために。薄くてかさばらないので、絆創膏と一緒に普段からポーチに入れておこう。
【危険から身を守る】
暗闇対策は身動きしやすいよう、手が自由になるものを選ぶ。手、足、頭などを守るためには、厚手で丈夫なものを選ぶこと。
●LEDライト
手が自由に使えるように、ライトは頭につけるヘッドタイプか首からかけるネックレスタイプのものを。両手が使えるので、暗闇の中でも作業がしやすい。
●保護用グローブ
がれきやガラスの破片でけがをしないようにグローブは表も裏も保護する厚手のものを。防寒用の薄手のものと合わせ、2種類用意しておこう。
●靴
飛び散ったガラスでけがをしないためにも、靴底の厚いものを選ぶ。ガラス片などが貫通しないよう、中敷きも必ずセッティングしておく。
●ヘルメット
コンパクトに畳めて場所をとらない。力の弱い高齢者でもワンタッチで組み立てられる。
【風雨から身を守る】
雨は体を冷やして危険。体温を奪われると免疫力が低下するため、防寒対策は万全に。使い捨てカイロも便利。
●非常用ブランケット
体熱の90%を反射させて体温を維持する素材を使用。広げてもガサガサ音がせず、避難所でも周りに迷惑をかけない。
●レインスーツ
リュックを背負ったまま着られる。上下式で雨風をしっかりとしのぎ、防寒着にもなる。
【体を清潔に保つ】
感染症などを防ぐためにも、体は清潔に保つこと。また、家族構成によってはオムツ、生理用品も3日分は入れておきたい。
●綿棒
傷の消毒は手でするより、綿棒で行ったほうが衛生的。災害時は砂やホコリが舞っているため、耳に入ったホコリなどを取り除くのにも使える。
●ペーパー歯みがき
水がなく歯を磨けないときでも、口の中をシートで拭えばスッキリ。歯間に挟まった食べ物のカスを取りのぞくための、歯間ブラシもあると便利。
●ウェットティッシュ
ノンアルコールタイプの大判の体拭きは刺激も少なく、お風呂に入れないときにもさっぱり。コンパクトサイズのふき取りシートは、ペーパー歯みがきの代わりにもなる。いずれも100円ショップのものでOK。
●ラップ
けがをしたときの包帯がわりに。ほかにもガラスに貼ってメッセージボード代わりに、皿にかぶせて使えば、洗い物をする必要もないなど、さまざまな用途に使える。
●救急キット
消毒液、絆創膏、包帯、ピンセットなど、応急手当てに必要な最低限のものが入っている。キットなら、ひとまとめになっていて便利。
【情報を収集・発信】
被災直後は携帯電話が使えず、停電でテレビも見られないことも。情報収集の命綱は電池、または手動式発電のラジオだ。
●充電機能付きラジオ
LEDライト、携帯電話の充電、サイレン機能がついたラジオ。充電は、iPhoneとAndroid両方の携帯電話に対応のものを。サイレンでは、居場所を伝えることもできる。
●布テープ
窓ガラスに“助けて”の文字を作ったりメッセージを貼ったり、骨折したときの固定に使えるなど、ラップと同様に汎用性が高い。丈夫な布タイプを。
【水害から身を守る】
体が水に濡れると体温が奪われ体力も低下する。また、雨が降ったあとは虫がわきやすいので、防虫対策も万全に。
●発光ライト
水の中で光るライト。着水後数秒で光り、120時間連続で点滅。長期保存も。
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●虫除け衣類
水害時は蚊など虫がわきやすい。思わぬ毒をもったものもいるので、虫除け機能がついたショールやパーカーなどを用意しておこう。
●レインカバー
靴の上から履けるレインカバーは脱着しやすく、急な雨のときにも重宝する。長靴と違い、しっかりとカバーするので足元の防水に。
(※価格は編集部調べ)
撮影/阿部健太郎
※女性セブン2018年9月13日号