ダイエットに密接な”やせ細胞”は換気が大切! 朝日を浴びて脂肪をためない体へ
「やせる秘訣は規則正しい生活にある」と、3000人以上の減量指導を行う医師の浅原哲子さんは話します。シンプルなだけに継続も難しいが、極端なダイエットによるイライラも少なく、何より健康的にやせることができれば「何か新しいことに挑戦してみよう」と前向きな気分になれそうだ。
そこで、ダイエットを後押ししてくれる耳より情報を、浅原さんが教えてくれたので早速ご紹介する。今から始めれば夏には変化が期待できるかも知れない!
“やせ細胞”は成人にもあるという報告が
「哺乳類には、脂肪を蓄える『白色脂肪組織』のほか、脂肪を燃焼して消費する『褐色脂肪組織』が備わっています。後者は、これまで乳児期に多くあり、成人するとなくなってしまうと考えられていたのですが、2006年、天使大学の斉藤昌之教授(現北海道大学名誉教授)により、成人にも褐色脂肪組織が存在し、体温制御や肥満予防に寄与していることが報告されました。
“やせ細胞”とも呼ばれる褐色脂肪組織は、鎖骨周辺から背骨の両脇、肩甲骨まわりにあり、加齢とともに活性が低下するそうです」 (浅原さん・以下同)
斉藤氏の研究では、褐色脂肪組織の活性が低下した人が、継続して気温17℃の室内で2時間、薄着で過ごしたところ、6週間後に細胞の量が増え、体脂肪も減少していたという。
「この時季の換気はつらいものですが、褐色脂肪組織が活性化されるチャンスと捉えることもできますね」
朝日を浴びて『BMAL1』の蓄積を防ぐ!
生物には、『朝起きて夜寝る』までのリズムを刻む体内時計があり、そのリズムをコントロールしているものの1つが『BMAL1(ビーマルワン)』というたんぱく質。
「この『BMAL1』がくせ者で、脂肪を合成して蓄える酵素を増やす働きがあるのです。これがいちばん増える時間帯が午後10時から午前3時頃で、最も少なくなる午後3時頃と比べ、なんと約20倍の量にも増加します。
『BMAL1』は、太陽の光と密接にかかわっており、朝日を浴びると減少します。通常は午前3時頃をピークに、徐々に減少していくのですが、カーテンを開けずに暗い場所で過ごしていると、減少するはずの『BMAL1』が増加したままという可能性もあります。
午前6~7時に起き、カーテンを開けて朝日を浴びてから朝食を摂れば、脳や体が目覚め、脂肪をためない体をつくることができます」
茶カテキンもやせ細胞を活性化する効果大
食品でも、唐辛子やしょうが、わさびに細胞を活性化させる成分が含まれているほか、斉藤氏と花王の共同研究により、緑茶に含まれる茶カテキンにも同様の作用があることが発表されている。
教えてくれた人
浅原哲子さん/医師
国立病院機構京都医療センター臨床研究センター 内分泌代謝高血圧研究部 部長、名古屋大学環境医学研究所 メタボ栄養科学研究部門 特任教授。国立病院初の肥満・メタボ外来(予約制)の開設以来、20年にわたり、3000人以上の減量指導を行う。近著に『「いただきます」を言わない人が太るワケ』(三笠書房〈知的生きかた文庫〉)。「世界一受けたい授業」(日本テレビ系)でのダイエット解説も話題となる。
イラスト/香川尚子 取材・文/佐藤有栄
※女性セブン2022年2月3日号
https://josei7.com/
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