やせない理由は「早食いのせいかも」やせホルモンは20分後に働き始める!ひと口30回の咀嚼を
いろいろ頑張ってるのに体重の変化が無い…。という方は、もしかしたら「早食い」が原因かもしれない。国立病院メタボ外来の医師・浅原哲子さんは、よく噛む事がダイエットに最も重要な事だと話す。何故噛むことが大切なのか浅原さんの解説を見ていこう。
本気でやせたい人へダイエットの心得
「国立病院機構京都医療センター 肥満・メタボリックシンドローム外来(以下京都医療センター 肥満・メタボ外来)」で「やせるメソッド」を構築した浅原哲子さんに聞いた、本気でやせるための心構えがこちら!
【ダイエットの心得5カ条】
一、高脂肪食は中毒性あり。年末年始の“ごちそう習慣”を断ち切りましょう
一、「○○抜き」の極端なダイエットは、より食欲を刺激し、リバウンドにつながります
一、“ダイエットの4原則”は「間食しない」「揚げ物を摂らない」「野菜ファースト」「1日8000歩歩行」
一、「80kcal=30分歩く」を基準に、好きなお菓子のカロリーと、消費に必要な運動量を把握しましょう
一、1か月1kgでも、1年で12kg減「急がば回れ」のダイエットは、一石十二鳥
痩せない理由は「食べるのが早い」せいカモ…
問題点:実は「よく噛まない」ことがいちばんの問題!
対 策:理想は30回、最低15回は咀嚼(そしゃく)しよう。
「健康のため『ひと口30回噛むこと』は、日本肥満学会でも推奨しています。脳の視床下部には、食欲を高める摂食中枢と、食欲を抑える満腹中枢という2つの神経があります。食べ物を噛んでいる間に食欲抑制作用のある『レプチン』というホルモンが働き、満腹中枢を刺激します。
全身の脂肪細胞から分泌される『レプチン』は、食事開始20分後くらいから働き始めるため、時間をかけて食べるほど満腹感を覚えやすいのです。従って、『レプチン』が作用する20分以内に食事を終えている人は、やせるチャンスを棒に振っているといえます」(浅原さん・以下同)
理想は30回咀嚼すること。早食いがクセになっている人は、15回からでも問題ない。
噛むこと自体がダイエット
「さらに、噛む行為自体もダイエットに効果的。噛んだ刺激で脳内に『神経ヒスタミン』という物質が分泌され、レプチンの作用とともに満腹中枢を刺激し、食欲を抑制します。神経ヒスタミンには、貯蔵エネルギーの代謝を促す働きもあるため、間食がしたくなったらシュガーレスガムを噛むとよいでしょう」
飽きずに噛むための手段として、ひと口ごとに箸を置く『箸置きダイエット』や、グルメレポーター気分で食事をレポートする方法もおすすめだと浅原さんは言う。
「自分で作った料理なら味のおさらいを、外食なら、誰かに伝える前提で料理の味わいや盛り付け、店内の雰囲気までもじっくり観察し、食事全体を楽しんでみましょう」
教えてくれた人
浅原哲子さん/医師
国立病院機構京都医療センター臨床研究センター 内分泌代謝高血圧研究部 部長、名古屋大学環境医学研究所 メタボ栄養科学研究部門 特任教授。国立病院初の肥満・メタボ外来(予約制)の開設以来、20年にわたり、3000人以上の減量指導を行う。近著に『「いただきます」を言わない人が太るワケ』(三笠書房〈知的生きかた文庫〉)。「世界一受けたい授業」(日本テレビ系)でのダイエット解説も話題となる。
取材・文/佐藤有栄
※女性セブン2022年2月3日号
https://josei7.com/
●国立病院メタボ外来の医師が提案する本気のダイエット法「1か月1kgでも、1年で12kg減」