魅惑の観光列車3選|水の名所を巡る「丹後くろまつ号」新登場「あをによし」の全貌
限られた乗客のみの広々とした車内で景色を眺めながらご当地料理を味わい、地元の趣向を凝らしたおもてなしがうけられる「観光列車」が今人気だ。観光列車に詳しい、トラベルライターで『AllAbout一人旅ガイド』の塩田典子さんがお勧めするのは、国内列車最大級の展望ハイデッキがある「えちごトキめきリゾート 雪月花」、京都で最も長い由良川橋梁を走行する「丹後くろまつ号」。そして、2022年4月デビューとなる注目列車「あをによし」。塩田さんに列車の魅力を教えてもらった。
※料金は「乗車」の記載があるもの以外、乗車券・食事代を含む大人1名のセット料金です。
※料金等は2021年12月6日の取材時点のもので変更の可能性があります。
観光列車とは?
車窓からの景色が見やすく設計された広々とした座席に座り、レストランのようなサービスが受けられる列車。運賃に加え、食事代などを支払って楽しむ。
【えちごトキめきリゾート 雪月花】車両から料理まですべてが新潟県産
【乗車区間】上越妙高(Jouetsu-Myoko)⇔ 糸魚川(Itoigawa)
銀朱色の車体に雪のモチーフがあしらわれた『雪月花』。
「ラウンジ形式の座席からは全面窓越しに眺望が広がり、開放感抜群。妙高連峰の山々と日本海を同時に眺めることができます」(トラベルライター・塩田典子さん・以下同)
冬に乗れば、雪国・新潟ならではの雪景色が楽しめる。
【車内】国内列車最大級の展望ハイデッキ
国内列車最大級の展望ハイデッキは出入り自由。天井まで窓になっている設計で、青空も降りしきる雪も特等席で眺められる。
越後富士とも呼ばれる妙高山の山肌も、冬は真っ白に染まる。
【食事】糸魚川の老舗割烹が郷土料理を提供
新潟の名産・紅ずわい蟹を豪快に使ったちらし寿司や、郷土料理の煮物「こくしょ」など、越後のおいしいものが詰まった和食お重が味わえる。
【Information】
【プラン&料金】午前便フレンチコース(上越妙高→糸魚川)1万9800円/午後便和食コース(糸魚川→上越妙高)1万9800円 など ●各約3時間 ※冬期(12月~2月末)は特別運行を実施
【お問い合わせ先】えちごトキめきリゾート雪月花予約センター
【丹後くろまつ号】途中停車駅で散策も可能な旅
【乗車区間】福知山 (Fukuchiyama)― 天橋立 (Amanohashidate)― 城崎温泉 (Kinosakionsen)
海や川に恵まれた丹後地方には、水辺の名所がたくさん。『丹後くろまつ号』は、岩々と松が同居する奈具(なぐ)海岸や、日本三景のひとつである天橋立(あまのはしだて)、日本海に面した城崎温泉(きのさきおんせん)などを走行する列車。
「天然木の温もりある松がテーマの内装もステキです」。
百人一首にも詠まれた名所、由良川(ゆらがわ)を走るコースでは、橋の中央で最徐行。水面から橋まではわずか6.4mという近さなので、まるで水の上を走っているような気分が味わえる。
【車内】天然木を使った客室は2人掛けと4人掛け
和モダンな客室には、随所に漆黒と金色があしらわれている。
窓には京すだれがかかっている。
【食事】長寿で知られる丹後の“長寿食”を提供
地魚や京野菜をふんだんに使った懐石ランチは、食物繊維たっぷり。全国有数の長寿の町・丹後ならではのメニュー。
【Information】
【プラン&料金】丹波まるごとスイーツコース(福知山→天橋立)5800円~ ●約1時間30分/丹後ちりめん懐石コース(天橋立→城崎温泉)1万6000円~ ●約2時間30分/但馬のこだわりディナーコース(城崎温泉→天橋立)1万2500円~ ●約1時間30分 など
【問い合わせ先】「WILLER TRAVEL」予約センター
2022年4月デビュー! 注目列車「あをによし」
【乗車区間】大阪難波(Osaka-Namba)― 京都(Kyoto)― 近鉄奈良 (Kintetsu-Nara)
近畿の名所を乗り換えなしで結ぶ列車が新登場。
奈良・正倉院の宝物をモチーフにした天平文様など、乗った瞬間から古都の歴史を感じられる空間。
カウンターで飲食物の販売も。
【Information】
【プラン&料金】大阪難波⇔京都乗車片道1960円 ●約80分/大阪難波⇔近鉄奈良乗車片道1300円 ●約35分/近鉄奈良⇔京都乗車片道1370円
【問い合わせ先】近鉄電車テレフォンセンター
初心者が乗るべき「観光列車三か条」
トラベルライターの塩田典子さんが観光列車を選ぶ際の三か条を教えてくれた。
1.短距離の列車をチョイス
初めて観光列車に乗るなら、乗車時間2~3時間の短距離列車から選ぶのがおすすめ。
「気軽に旅の一部に取り入れられ、しかもリーズナブルです」。
2.セットにこだわらない
フルコース料理込みのセットプランだけでなく、お弁当や飲み物の持ち込みができる列車もある。気軽に乗車するのにぴったり。
3.観光地に合わせて選ぶ
「多くの観光列車は、人気観光地へのアクセスが便利です」。
行きたい観光地までの足に利用すれば、移動時間まで楽しく充実したものになる。
教えてくれた人
塩田典子さん/トラベルライター
撮影/玉井幹郎 イラスト/murayoko
※女性セブン2022年1月6・13日号
https://josei7.com/
●密も避けられる“観光列車”が今人気!トラベルライターお勧めの「ろくもん」「或る列車」のおもてなし