走るライブキッチンで話題の「観光列車」3選 フレンチ料理や石窯ピザを目の前で!
今、豪華列車よりリーズナブルで旅慣れてなくても楽しめる「観光列車」が人気上昇中だと教えてくれたのは、トラベルライターの塩田典子さん。中でも注目したいのが、食事のクオリティの高さ。電車内にある石窯で焼いたピザや、広々としたオープンキッチンで作りたてのフルコースを食べられたり、スイーツの食べ放題が出来る列車もあるという。ワクワクが止まらない観光列車を早速見ていこう!
※料金は「乗車」の記載があるもの以外、乗車券・食事代を含む大人1名のセット料金です。
※料金等は2021年12月6日の取材時点のもので変更の可能性があります。
観光列車とは?
車窓からの景色が見やすく設計された広々とした座席に座り、レストランのようなサービスが受けられる列車。運賃に加え、食事代などを支払って楽しむ。
【TOHOKU EMOTIO】ライブキッチンを備えた走るレストラン
【乗車区間】八戸(Hachinohe)― 久慈(Kuji)
列車の目玉は、目の前のオープンキッチンで調理される料理。東北地方の魚介類をふんだんに使った、彩り鮮やかなフレンチが提供される。
三陸の海や、ウミネコの生息地として国の天然記念物に指定された蕪島(かぶしま)、葦毛崎(あしげさき)展望台など、ビューポイントでは減速や停車をしながら走行してくれる。
「内装や食器には東北の伝統工芸が使われ、乗車中は随所に東北を感じることができます」(トラベルライター・塩田典子さん・以下同)。
東北の“おいしい”が詰まった列車
2号車は丸ごとキッチンスペース。ガラスで仕切られただけのオープンキッチンは、乗客が目の前で調理の様子を見ることができる。
監修シェフが年2回交代
現在の往路コース料理は、東京・表参道『ラ・ブランシュ』の田代和久シェフが担当。メニューは年4回変わり、料理を楽しみに乗るリピーターも。
食べ放題のデザートコースも
スイーツは『ホテルメトロポリタン盛岡』が提供。往路でフレンチを、復路でデザートをたっぷりと味わう、往復乗車を楽しむ人も多い。見た目が華やかなスイーツの食べ放題にテンションが上がるコト間違いなし。
地元芸術が車内のあちらこちらに
床や窓には青森の伝統工芸・こぎん刺し、照明には岩手名物・琥珀がモチーフとして使われている。
【Information】
【プラン&料金】ランチコース付き(八戸→久慈)8100円 デザートブッフェ付き(久慈→八戸)4600円/ランチコース・デザートブッフェ付き(八戸⇔久慈往復)1万2200円 ※1号車利用の際は追加料金が必要 ●片道各約2時間
【お問い合わせ】びゅう予約センター
【THE RAIL KITCHEN CHIKUGO】史上初! 石窯がある列車
【乗車区間】天神(Tenjin)― 太宰府(Dazaifu)― 大牟田(Omuta)― 花畑(Hanabatake)
天神の都市部から大牟田の田園地帯まで、車窓からの風景の変化が見どころ。
食事の目玉は、車内で焼かれるピザ。
「車内に窯があり、焼きたてピザを味わえるのは観光列車初の試みです」
生地を伸ばすところから車内で行うというこだわりぶり。
目の前で見学OKなピザ工房
車内いっぱいにチーズの香りを漂わせる“車内専用石窯”は、焼き上がりまでが見られる。
ピザに加え、筑後の肥沃な土壌で育った野菜や肉を使った大ボリュームの料理もお腹いっぱい食べられる。
モダンで開放的な客室も魅力的
ダイニング車両は八女の竹を使用した竹編みの天井が特徴的。車窓からは緑豊かな風景が。
【Information】
【プラン&料金】地域を味わうカフェ太宰府の旅(天神→太宰府)3300円 ●約40分/地域を味わうランチ筑後の旅(天神→大牟田)8800円 ●約2時間20分/地域を味わう季節限定コース(天神→花畑→天神)8800円
【問い合わせ先】西鉄お客さまセンター
【52席の至福】予約困難 秩父への旅
【乗車区間】池袋 (Ikebukuro) ― 新宿 (Shinjuku)― 秩父(Chichibu)
わずか52席の乗客だけが楽しめる非日常空間は、都心から日帰り圏内という気軽さも人気の理由。
広々としたオープンキッチンからは、季節ごとに変わる、できたてのフルコース料理が供される。地産木材を使用した隈研吾氏デザインの外装・内装は、秩父の穏やかな自然を表現している。
オープンキッチンから出来立てフルコース
3号車は丸ごと厨房車両。オープンキッチンから客席まで、料理を準備する音や香りが届く。
列車オリジナルのメニューは季節で変わるので、何度でも味わいたい。
サプライズも
1運行1組限定のスペシャルアニバーサリープランでは、メッセージ入りデザートプレートなどのサービスが。記念日に利用する人も多い。
地元の木材が使用された客室
秩父の西川材が組み合わされた天井。杉の香りが漂い、非日常感を演出。
【Information】
【プラン&料金】ブランチコース(池袋→西武秩父、西武新宿→西武秩父)各1万円/ディナーコース(西武秩父→池袋、西武秩父→西武新宿)各1万5000円 ●片道各約2時間30分
【お問い合わせ先】西武鉄道お客さまセンター
初心者が乗るべき「観光列車三か条」
トラベルライターの塩田典子さんが観光列車を選ぶ際の三か条を教えてくれた。
1.短距離の列車をチョイス
初めて観光列車に乗るなら、乗車時間2~3時間の短距離列車から選ぶのがおすすめ。
「気軽に旅の一部に取り入れられ、しかもリーズナブルです」。
2.セットにこだわらない
フルコース料理込みのセットプランだけでなく、お弁当や飲み物の持ち込みができる列車もある。気軽に乗車するのにぴったり。
3.観光地に合わせて選ぶ
「多くの観光列車は、人気観光地へのアクセスが便利です」。
行きたい観光地までの足に利用すれば、移動時間まで楽しく充実したものになる。
教えてくれた人
塩田典子さん/トラベルライター、しなの鉄道・経営企画課
撮影/玉井幹郎 イラスト/murayoko
※女性セブン2022年1月6・13日号
https://josei7.com/
●非日常を味わえるひとり旅をブロガー・ショコラさんが満喫 千葉県・佐原を散策