精神科医Tomyの元気の出る金言【第23回 忙しさに心を囚われない】
心を亡くすと書いて
「忙しい」になるの。
マズイなって思ったら
抱えてるものを
減らし始めましょ。
* * *
時間がないからこそ、今時間を作る
おはようございます。精神科医のTomyです。とうとう12月、今年も残り少ないわね。もっとダイエットしたかった、あれをやっておきたかった、色々あるけど… 。まあ、今言っても始まらないから、ボチボチいきましょうか。
さて今日は「忙しすぎてしんどい!」ってならないようにする方法を考えてみるわね。心を亡くすと書いて忙しいとは、まさにその通りよね。若い人の言葉で言う「それな」なのよ(笑い)。
「これはもう耐えられない」っていうくらい忙しくなったら、どうしていますか? 「何か手を打たなきゃ」と思いながらも、目の前のことで手いっぱいで、後回しにしがちじゃないかしら。それでもっと悪い方向に進んでしまったりね。
そうするとだんだん歯車が狂ってきちゃう。疑問を感じてるということは、対処しなきゃいけないタイミングのはず。まず第一に、具体的にどこを変えられるのか、無理やりにでも時間を取って考えることよ。時間がないからこそ、今時間を作るの。「頭痛いから病院に行ってきます」っていう手を使うのか(何度も使っちゃダメよ)、用事で外へ出たついでにコーヒーショップへ寄ってひとり考えるのか、なんでもいいわよ。
「もう、それすら無理〜」っていう場合は、エイヤッと開き直って、「無理だから、助けて欲しいんです!」って周りに宣言しちゃうのも、自分が潰れないためにアリかもしれません。
今抱えている仕事や用事を、いきなり丸投げするって難しいでしょうから、効果が出てくるのは少しずつですよね。それでも自分のやることを減らしていけば、忙しさが今だけの期間限定になるので、「ああ、今だけ堪えよう」、とちょっと余裕が出てくるはずなの。期限を知れば、人間ってちょっと踏ん張れるでしょ。
これを今お伝えしたい理由はね。今年の夏、アテクシがパンクぎみで。気をつけなきゃって身にしみて感じたからなの。コロナの関係もあり診察も忙しかったのね。平常心でいるよう努めていたけれど、家に帰って「ああ、もう本当に無理かも〜」って思う日もありました。イライラしてそれを沈めるのにエネルギーを使うし、人の話をしっかり聞く余裕を絞り出さなきゃいけないし。
「これはいかん!」と思って、応援を頼むなどの調整をしました。こういうのはチームワークだから、いきなりラクにはならないけど、だんだんマシになってきますね。試しながらベストな状況を探るので、早めが大事。そう改めて思った経験でした。
「ちょっと暇でしょうがない、大丈夫かな?」というくらいまで、思い切って減らしてもいいと思いますよ。その分、本当に大切なことに時間を割けますからね。少し周りの協力はいるし迷惑はかけるんですが、自分が倒れちゃうよりはよっぽどいいのよ。
「期間限定の忙しさにすれば踏ん張れる」っていうと、もうひとつ。「忙しいから今はやらないんだけど、暇になったらやろうかな」って後回しにしていることも、期限を決めると取り組みやすいですよね。資格試験でも、仕事のことでもね。やると決めて、取り組んでみてね。
アテクシ、普段は“どうにかなるわよ派”なんですが、忙しくて自分が壊れちゃいそうな事態は「ユルく構えていたらダメ!」って思っています。自分の意思では変えられない忙しい時期もあるけれど、心を奪われずに過ごしましょうね。
プロフィール
精神科医Tomyさん/1978年生まれ。国立大学医学部卒業後、精神科クリニックに勤務。診察する中で言葉の力に気づき、自身のつらい経験も生かして温かいアドバイスをツイッターで発信。たちまち話題になり、フォロワー現在、25万人を突破。作家・エッセイストとしても活動しながら、悩み多き人々に寄り添い続けている。近著に『精神科医Tomyが教える 1秒で元気が湧き出る言葉』(ダイヤモンド社)などがある。2022年1月12日(水)発売の新著『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』(ダイヤモンド社)はTwitter発信のスピンオフとして生まれた、著者初の小説。
ツイッター:『ゲイの精神科医Tomyのつ・ぶ・や・き』 @PdoctorTomy
取材・文/永田玲香