意外と知らない電子レンジの正しい使い方 ごはんや牛乳はラップ不要、ソーセージは皮の破裂に注意
電子レンジが便利なのはわかっていても、「温め」の機能を使うだけになっていませんか? ちょっとした使い方のコツや意外な調理術を知っておけば、毎日の料理がグンとラクになります。まずは意外と知らない基本をおさらいしましょう。
※電子レンジの加熱時間は、フラット型の600Wで加熱した場合の目安です。
※電子レンジはメーカーや機種によって加熱具合が異なる場合があるので、加熱時間は様子をみながら調節してください。
【Q】電子レンジってなぜ加熱できるの?
【A】食材の水分を電磁波で振動させ、摩擦熱を発生させます
電子レンジは、英語で言うと「マイクロウェーブ・オーブン」。その名の通り、マイクロ波と呼ばれる電磁波を食品に当て、含まれる水分を振動させる。「水分子同士の摩擦熱が発生し、食品が温まり調理できます」(パナソニックキッチン空間事業部商品企画部・金田美智代さん)。
【Q】フラット型とターンテーブル型の違いは?
【A】電磁波の出方が異なります
フラット型は下から、ターンテーブル型は横から電磁波が発せられる。フラット型は電磁波を発するアンテナが、ターンテーブル型は食材自体が回ることで食材が均一に加熱され、まんべんなく熱が通る仕組み。家庭で使われている電子レンジは、フラット型が多い。
食品を置く場所は、フラット型は庫内の中央。ターンテーブル型はメーカーによって異なるので確認を。
【Q】どんな食材も加熱できるの?
【A】殻や膜のあるもの、油脂分が多いものは注意!
殻のある卵や銀杏、膜のあるソーセージなどは破裂することがあるため、割れ目や切れ目を入れて。油脂の多いバターや生クリームは、突然沸騰する危険があるので注意を。
【Q】熱に強い器ならなんでも使える?
【A】耐熱の容器を使い、加熱NGの素材に注意
保存容器でも耐熱温度140℃以下のものは、溶ける恐れがあるので避けて。金属の器(縁などに少し使われている程度でも×)、木製容器はNG。アルミホイルも使えない。
【Q】食品を温めるとき、ラップはいつも必要?
【A】食感を残したいものや水分が充分あるものには、ラップは不要
ラップをする=蒸し状態になるので、水分を逃してサクサクに仕上げたい揚げ物や、カリッとさせたい焼き物にはしなくてよい。水分が充分にあるみそ汁やスープにも不要。
●冷ご飯
ラップ内に水分が閉じ込められてべちゃっとするのを防ぐため、ラップはせずに加熱を。「ただし、ご飯が硬くなってしまっている場合はラップを」(金田さん)。
●飲み物
牛乳などは突然沸騰することがあるので、熱しすぎに注意。広口で高さのない耐熱容器に8分目の量を入れ、ラップなしで加熱する。
●揚げ物
サクサク感を残すために、揚げ物はラップをせずに加熱を。違う種類のものを加熱する場合は厚さや重みを揃えると◎。
【Q】ラップを「ふんわりかける」とは?
【A】蒸気の逃げ道があればOK
ラップを「ふんわりかける」のは、加熱したときに出る蒸気の逃げ道を作り、破裂などを防ぐため。「ふんわり」の加減がわかりにくければ、一度緩めにラップをかけた後、端を少し持ち上げて隙間を作ると簡単。
【Q】W数はどれを使えばいいの?
【A】基本的には500Wか600Wを使って
500Wと600Wの違いはあまりないので、使いやすい方を選んでOK。150~200Wは解凍や煮込み調理に、300Wは破裂しやすい食品の加熱に向いている。
【Q】汚れやにおいが気になります
【A】使い終わったらすぐにひと拭きする習慣を
使用後、庫内をダスターなどでさっと水拭きして、水蒸気やにおいがこもらないように扉を少し開けておく。「汚れが酸化すると故障にもつながるので、このひと手間で長持ち効果も」(時短料理研究家・ろこさん)。
におい対策:こんな方法も…
耐熱皿にカットレモンと絞り汁、水を入れて3分ほど加熱し、しばらく放置してから水拭きを。「レモンの絞り汁で拭いても。油汚れに効果あり」(ブロガー、ライター・犬飼つなさん)。
教えてくれた人
■時短料理研究家・ろこさん/幅広い媒体で活躍。著書に『詰めて、冷凍して、チンするだけ! 3STEP冷凍コンテナごはん』(徳間書店)がある。Instagram@roco1230
■ブロガー、ライター・犬飼つなさん/生活の知恵を発信するサイト『サルワカ』管理人。レシピ監修や記事執筆も行う。著書に『力尽きレシピ』(光文社)がある。
■パナソニックキッチン空間事業部商品企画部・金田美智代さん/電子レンジをはじめ、キッチン家電の新しい商品やサービスを提案。
撮影/菅井淳子
※女性セブン2021年9月23日
https://josei7.com/
●チンするだけ火を使わない!パスタ、そうめんや主菜・副菜までシニアも安心の電子レンジ調理レシピ【まとめ】