飲食店にいるときに大地震が発生したら…まずどうする?座席はどこが安全?専門家が解説
いつ起こるか予測のつかない大地震。しかし、いざというときに備えて、知識があれば命を守ることができるかもしれない。日常のさまざまシーンで役立つノウハウを専門家が伝授するシリーズ、今回は飲食店での座席の選び方だ。
テーブルの下に潜れる状況ならば、テーブルの下に避難する
新型コロナウイルスの影響で外食が減ったという人も多いと思うが、もしも久しぶりの外食時に、地震が発生したらどうすればいいのか?
「真上に落ちてくるような照明や家具がなく、周囲にも転倒してくるものがなければ、無理にテーブルの下に潜る必要はありませんが、瞬時に自分のいる席が安全かどうかを判断するのは難しい。ですから、テーブルの下に潜れる状況なのであれば、まずはテーブルの下へ避難し、揺れがおさまるのを待ちましょう」
と語るのは、備え・防災アドバイザーの高荷智也さんだ。
テーブルの下に潜れない場合は、かばんなどで頭をガードしつつ自席の近くでしゃがもう。
さらにその後、避難することを考えると、最初から安全度の高い場所のテーブルに着いた方がいいが、それは一体店内のどこだろうか。
より安全な席は、店内中央
「出入り口付近は、レジや券売機、名前を書くボード、食品サンプルメニューのガラスウインドーなど、大きな揺れの際に転倒・破損する恐れのあるものが多く注意が必要なエリアです。窓側の席も、窓が破損する恐れがあるうえ、揺れによりハンドルをとられた車が飛び込んできたら大惨事になります。これらを鑑みて、店内中央の席が安全といえます」(高荷さん)
飲食店は食器類や酒の瓶などの割れものが多い。そのため、それらが割れる音や食器同士がぶつかる音など、恐怖心をあおる音が四方から聞こえてくると思うが、決してパニックを起こさないこと。自分の席で待機し、店員の指示に従って避難しよう。
カウンター席もまた、酒瓶やディスプレー、調理機器など、地震の際に倒れそうなものが多く、危険度が高い。ドリンクバーの近くも、割れて破損する恐れのある食器が多く、ドリンクバー自体が倒れる可能性もあり、注意が必要だ。シャンデリアやスピーカー、プロジェクターなどが吊ってある場合も、その付近は警戒を。また、配膳用のワゴンなど、キャスターが付いているものは、ぶつかったり、挟まれるとけがをする恐れがあるので近づかないこと。
これらを踏まえ、店に入ったら、落下してくるようなものはないか、周囲に転倒してくるものがないかなどを確認する癖をつけよう。
まとめ
●テーブルの下に潜れる場合は、揺れが収まるまでテーブルの下に隠れる
●テーブルの下に潜れない場合は、カバンなどで頭をガードし、自席の近くでしゃがむ
●転倒、破損するものが多く注意が必要なのは、出入り口付近と窓側の席
●より安全なのは、店内中央の席
●パニックを起こさず、店員の指示に従い避難する
●飲食店では、まず落下してくるようなもの、転倒してくるものがないかまず確認する癖をつける
取材・文/鳥居優美 イラスト/大窪史乃