1つ星フレンチsio直伝“ノンアルカクテル”の作り方8選|自宅で簡単に名店の味を
いま注目の1つ星フレンチ店『sio』は、朝からフルコースが食べれる『朝ディナー』が大ヒット。そんな『sio』のシェフがSNSでレシピを発信して話題を呼んでいるのが”ノンアルコールカクテル”だ。市販のソフトドリンクとノンアル缶を混ぜるだけでなく、お茶にハーブを漬けたり、ジャムを加えたり、お茶やソフトドリンクにひと工夫するだけでも、ノンアルカクテルに大変身!8つのレシピを名店シェフに教えてもらった。
星付きレストランがアレンジレシピを配信
「アルコールとノンアルドリンク、どちらと合わせてもおいしくコース料理を食べていただけるように、料理に合うノンアルドリンクを開発しました。その結果、約半分のお客様がノンアルドリンクを注文するほどに浸透しました。そんな中、このコロナ禍になり、少しでも毎日の食事に役立てばとノンアルレシピを公開することにしました」
そう語るのは、『sio』オーナーシェフの鳥羽周作さん。
SNSでは「#sioのノンアル」として、ノンアルドリンクの家庭用アレンジレシピと、それに合う料理を発信している。
「店で出すノンアルドリンクは、茶葉の渋さをベースに香りや酸味などを加え、ワインの味に近づけたりしています。ご家庭向けのレシピでは、市販のドリンクを使うことで手間を省き、甘みを少し強めています。今後はお店でも家庭でも、料理に合わせてノンアルドリンクを選ぶ、そんな需要が増えていくと思います」(同店のソムリエ・亀井崇広さん)
『sio』で人気の“ノンアルレシピ”8選
「東京で2度目の緊急事態宣言が出された後、ランチやディナーのコース料理だけでなく朝9~12時まで提供する『朝ディナー』をオンリストしました。どの料理もノンアルドリンクに合うものばかり。人気のノンアルドリンクを手軽なレシピにアレンジしてSNSなどで公開しています」(鳥羽さん)
これから紹介する『sio』直伝のレシピは、今回初めて公開したレシピも含まれている。 料理を引き立てるノンアルドリンク、お酒を飲めない人はもちろん、アルコール好きな人にもぜひ挑戦してほしい。
【1】緑茶のノンアル本格白ワイン風
すっきりとした味わいに、 複雑な香りが鼻を抜ける!
<レシピ>
【1】市販の緑茶500mlに、ハーブのディルを1房、大葉1枚をひと晩漬け込んでおく。
【2】【1】に市販の白ぶどうジュース(果汁100%のもの、または濃縮還元タイプ)を50
~100ml程度加えて完成。
「白ぶどうジュースで風味を出し、味を調えます。軽く冷やして飲むのがおすすめ」(鳥羽さん・以下同)
★こんな料理とペアリングを!
サラダや新鮮な魚介類の料理によく合う。
ディルは北欧料理などの魚料理でよく使われるハーブの一種。スーパーの野菜売り場などで入手可能だ。ディルが入手できない場合、バジルの葉2~3枚でも代用可能。
【2】ノンアルグレープフルーツ サワー風 “トニピス”
後味の苦みがグレープフルーツサワーのよう
<レシピ>
【1】大きめのグラスやタンブラーに氷を適量入れる。
【2】カルピス15mlとトニックウォーター190mlを【1】に入れてそっと混ぜる。
「カルピスウォーターではなく、カルピスを薄めずに使用します」。(鳥羽さん・以下同)
★こんな料理とペアリングを!
後味の苦みがグレープフルーツサワーを思わせる一杯。食事のスタートの乾杯ドリンク、または、軽い前菜や魚介類と一緒に試してみよう。
【3】ノンアル香ばしウメサワー
ほうじ茶の香ばしさがアクセントに
<レシピ>
【1】中くらいのグラスやタンブラーに氷を適量入れる。
【2】『生茶 ほうじ煎茶』を50mlくらい【1】に注ぐ。
【3】『酔わないウメッシュ』約200mlを【2】に注ぎ、優しく混ぜる。
★こんな料理とペアリングを!
ウメッシュの濃い梅味と、ほうじ茶の香ばしさがベストマッチ! こってりした中華料理など、濃い味付けの料理にぴったり。
【4】ノンアルコールパナシェ
ビールとレモンソーダのカクテル“パナシェ”風
<レシピ>
【1】冷蔵庫で冷やしておいた『C.C.レモン』をグラスに注ぐ。
【2】『オールフリー』を【1】に注ぐ。このとき、「C.C.レモン」と「オールフリー」は、1対1の割合で。
★こんな料理とペアリングを!
レモンを搾って食べる料理と相性が抜群!
「なかでもぼくのおすすめは、唐揚げ。ぜひ一緒に食べてほしいですね」。
【5】爽風ジャスミンライチ(初出しレシピ)
ライチの香りが華やかな白ワインをイメージ
★こんな料理とペアリングを!
ライチの香りが非常に華やかな品種の白ワインをイメージして作ったドリンク。中華料理やスイートチリなど、アジア料理などにとても合う。
【6】黒烏龍茶の赤ワイン風(初出しレシピ)
シラーなど、濃い赤ワインのよう!
<レシピ>
【1】黒烏龍茶200mlにブラックペッパーを7~8粒入れて火にかけ、沸騰寸前で火を止める。
【2】【1】を冷ます。
【3】グラスに【2】と『ウェルチグレープ100』40mlを注ぎ混ぜる。「氷は入れずに、お好みで冷やして飲んで」。
★こんな料理とペアリングを!
『ウェルチグレープ100』が赤ワインの果実感を、烏龍茶が渋み、黒こしょうがスパイス系の香りを代替している。肉料理に合わせるための味わいだ。
【7】ノンアル大葉モヒート
ミントの代わりに大葉で和風に
<レシピ>
【1】大きめのグラスに大葉2と梅干し(はちみつ梅)を1つ入れて軽くつぶし、はちみつ小さじ2を入れる。
【2】レモン1/8個を搾って【1】に入れる。
【3】【2】に氷を適量入れて、炭酸水を適量注ぐ。
【4】グラスの底の方から混ぜて、大葉を1枚飾る。
★こんな料理とペアリングを!
「和食など繊細な味付けの料理のお供に。または、焼き鳥や魚介のフライなどと合わせれば、口をさっぱりさせてくれます」
【8】おうちのジャムでティーソーダ
合わせる料理でジャムを変える
★こんな料理とペアリングを!
桃やりんごのジャムを使用する場合は、焼いた魚料理に、柑橘系のジャムは、サラダなど前菜に、いちごやブルーベリーのジャムは肉料理に合う。
ノンアルドリンクと製法のヒミツ
国内ではまだ少ないノンアルワインだが、6月にメルシャンがノンアルコールサングリア『モクバル』を発売した。この商品の特徴は、脱アルコール製法によるワインエキスを入れ、本物のワインにより近い味を実現したことだ。
日本では、アルコールを発酵させない調合製法で作られるものが多い中、脱アルコール製法は一度発酵させてからアルコールを抜く手法。そのため、ノンアルドリンクなのに、アルコールにより近い味が得られる。海外では脱アルコール製法のワインやビールも多く、日本での人気も高い。2007年からワインのノンアルコールを扱う湘南貿易の担当者は、
「昨年に比べ売り上げは2倍に。この数か月は特に飲食店、個人ともに需要が高く、一時期売り切れのノンアルワインも出ました」と語る。
だが、なぜ日本で脱アルコール製法が広がらないのか? その大きな理由の1つには、酒税法がある。
「海外に比べ、日本は酒税が高く、抜いたアルコールにも酒税がかかるため、この製法はコストがなかなか見合わないんです」(キリンビールの担当者)
今後に期待したいところだ。
人生最初のノンアルドリンクは『シャンメリー』?
栓を開けたときの“ポン”という音に、ワクワクした記憶はないだろうか? 昭和22(1947)年、シャンパンをヒントに誕生した『シャンメリー』。当時は『ソフトシャンパン』という名前だった。
その後、昭和40年代には「乾杯飲料」としておなじみになり、昭和48年に『シャンメリー』に改称。これは、シャンパンとメリークリスマスを合わせてできた日本語。弾ける栓はいまも健在だ。
教えてくれた人
鳥羽周作さん/『sio』オーナーシェフ
2018年に東京・代々木上原にレストラン『sio』をオープン。『ミシュランガイド東京』で、2年連続で星を獲得。最新著書『やさしいレシピのおすそわけ#おうちでsio』1430円(小学館)。http://sio-yoyogiuehara.com/ ※メニューはコースのみで予約制。
亀井崇広さん/『sio』ソムリエ
『sio』のソムリエとしてコース料理に合わせて、アルコールやノンアルコールのペアリングドリンクを担当している。
撮影/横田紋子(本誌)
※女性セブン2021年7月15日
https://josei7.com/
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