猫が母になつきません 第250話「とられる」
母を新しくできた歯医者に連れて行きました。これまで母が通っていたところは先生がご高齢で医院を閉められることになったので、近所にできた新しい歯医者に行くことにしたのです。そこは黄色をテーマカラーにしたインテリアですべてぴかぴか、スタッフも先生もみなすごく若い。診察室はいくつもの小部屋に分かれていて何人ものスタッフがきびきびと動き回っています。グレーの古びた空間に診察台が一台と老先生がたったひとりですべてをきりもりしていた今までの歯医者とは別世界すぎる。母にとってはちょっとしたカルチャーショックです。初診なのでレントゲンと口の中の写真を撮られる。診察室の壁には大きなモニターがかけてあって、今撮った画像を見ることができます。歯は全体的にかなりガタがきており、初めて大きな画像で見る自分の歯の状態に母も驚いていました。歯医者に行ったせいでしょう、その夜久々に歯が抜ける夢を見ました。たしか歯が抜ける夢って何か意味があったような…不吉な意味だとイヤなので調べないままでいます。
【関連の回】
作者プロフィール
nurarin(ぬらりん)/東京でデザイナーとして働いたのち、母とくらすため地元に帰る。典型的な介護離職。モノが堆積していた家を片付けたら居心地がよくなったせいかノラが縁の下で子どもを産んで置いていってしまい、猫二匹(わび♀、さび♀)も家族に。