猫が母になつきません 第249話「ちがう」
私と母が一緒に食事をすることはあまりありません。食べたい時間が全然違うので無理に合わせることはしていないのです。ある日、作っておいたおかずが減っていないので母に食事が済んだのかたずねると「食べた」と。食べたものを聞くと覚えていない。だって明らかに食べてないですもん。食べたのに「まだごはんを食べていない」と言いだすパターンしか把握していなかったので、聞いてた話と違うなと少々面食らう私。逆から来たか、ふふん。ある時は母が「台所におかず作ってあるから」というので探しましたが何もありません。「どこにあるの?」「え?ない?おかしいわね」という具合で、食べていないのに食べたことになっていたり、作っていないのに作ったことになっていたり、母の場合は忘れるというよりも以前の記憶が今日のことになっている場合が多いようです。母の中で日にちや時間の感覚がかなりずれてきているなというのは最近とくに感じます。食べなくておなかすかないのかしら?とお思いかもしれませんが、ご心配にはおよびません…いつも間食しすぎですので(苦笑)。
作者プロフィール
nurarin(ぬらりん)/東京でデザイナーとして働いたのち、母とくらすため地元に帰る。典型的な介護離職。モノが堆積していた家を片付けたら居心地がよくなったせいかノラが縁の下で子どもを産んで置いていってしまい、猫二匹(わび♀、さび♀)も家族に。