医療と介護が加わったコンビニサービス 大手3社の内容とは
食品から、日用品、雑誌、お酒までなんでも揃い、24時間開いている。そんな“便利の王様”コンビニのサービスに医療と介護が新たに加わった。超高齢化社会に突入した私たちの大きな味方になるのか。最新のコンビニ事情に迫った。
24時間明かりがついているあの場所には、3000点以上の商品に加え、プライベートブランド商品、複合コピー機、ATMが設置され、宅配便の発送や切手の購入ができるなど充実したサービスがある。最近では、店頭で淹れ立てのコーヒーやドーナツを販売するなどカフェさながら――今や「便利で手軽」が当たり前になったコンビニが新たに力を入れているのが、医療と介護分野だ。いったいどのようなサービスを提供していくのか。
セブン-イレブンの宅食サービス
まずコンビニ業界最大手のセブン–イレブンが展開するのは宅食サービス「セブンミール」だ。高齢者層や買い物に不便を感じている人、健康管理に気をつけている人をターゲットに、日替わり弁当(510円)や日替わり総菜セット(510円)などを中心に届けている。客はそれらをカタログから選んで注文する。
その際、実店舗で販売されている商品を一緒に届けてもらうことも可能だ。全国約1万7500店舗のうち、実施店舗は全体の約8割にのぼる。
「開始したのは2000年ですが、2011年にサービスを一新し、500円以上お買い上げの場合、送料無料とさせていただいています。約1000点のアイテムをカタログから注文できて、日替わりのお弁当やお総菜だけでなく、重いお米やペットボトル飲料なども人気があります。
前日の朝10時半までにネット、電話、FAX、店頭で注文していただければ、翌日の昼、または夕方便でお届けします。店頭での受け取りも可能です」(セブン&アイ・ホールディングス広報センター)
利用者の6割を占めるのが60才以上の高齢者。評判は上々で利用者は徐々に増えているという。
「お住まいの近隣店舗からお届けにあがるので、『顔を知っている店員さんが配送してくれるから安心する』と言っていただくことが多いです。現在は行政と協定を結び、お届けした際に異変があれば行政窓口、地域包括支援センターと連携して対応するなどのサポートも強化しています」(同前)
また、食事の献立は管理栄養士が監修しているので健康面でも安心だ。特に塩分やカロリーを気にしている高齢者に喜ばれ、なかには「病院で勧められた」という声もあるという。
ファミリーマートの一体型店舗
風邪をひいてドラッグストアに薬を買いに行ったとき、「ここでまとめてお総菜なども買えればいいのに…」と思ったことがある人は多いはず。
そんな願いを叶えたのが、ファミリーマートだ。ドラッグストアとコンビニが一体になった店舗を2012年に立ち上げた。