親や夫の介護 始まる前に地域の頼れる相談窓口の確認を
親や夫の介護が始まる前に調べておきたい、住んでいる地域の介護サービスや相談窓口。地域の人々と連携を取れば、離れて暮らしていても親をサポートできる。
頼れる相談窓口として、以下のような窓口がある。
【社会福祉協議会】
民間のボランティア団体。車椅子や介護用ベッドの貸し出し、家事のサポートなど、住民参加による地域福祉活動を行う機関。「社会福祉協議会 ○○区」などで検索すると、地域の情報が検索できる。
【地域包括支援センター】
介護相談の最初の窓口。介護や暮らしに関する相談に無料で対応。各種保健・福祉サービスを紹介、調整してくれる。親が住む市区町村のウェブサイトか、直接役所に電話し、担当地区の連絡先の確認を。
【病院の窓口相談】
親のかかりつけの病院を確認。医療ソーシャルワーカーと呼ばれる相談員が対応。病院への要望や、入院に必要な費用、退院後の療養生活などの相談に乗ってくれる。
【民生委員】
身近な相談相手として頼りに。国が認定した、地域密着の相談員。高齢者への支援や、介護支援サービスへの紹介を行う。役所の福祉係に問い合わせ、名前や連絡先を教えてもらう。
【保健センター】
認知症の相談はここ! 日常生活における家庭での介護や、認知症の相談に応じる。各市区町村にあり、地域の母子保健・老人保健の拠点。保健師が在籍。役所に問い合わせるか、親の住所の近くで検索を。
実際に介護福祉士として働く漫画家の國廣幸亜さんは、普段の親との会話が介護の時に実を結ぶという。
「ある介護施設で、寝たきりで口から食べ物を摂取できないおじいちゃんが、突然『ヤクルトが飲みたい』と言いました。娘さんによると、父親はヤクルトが大好物で元気な頃は毎日飲んでいたそう。そこで、娘さんはヤクルトを匙にとって唇を潤しました。おじいちゃんは笑顔になりました。翌日、そのおじいちゃんは息を引き取りました。
娘さんは、『最後に父が好きなものをあげられてよかった』と言って笑顔になりました。介護が長引くと、親と意思疎通が難しくなることもあります。親の好物を知っていますか? 普段の何気ない会話が、介護の時に役立つかもしれません」
※女性セブン2013年1月10・17日号
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