2食材だけで簡単華やか!”春色”おかずでおうち弁当のすすめ|料理家・渡辺有子さん
すっかり春の陽気で心地いい季節。少しでも春を満喫すべく、旬の食材を使った春らしいお弁当をご紹介!素材のおいしさを引き出す料理が得意な料理家の渡辺有子さんが、3ステップで手軽に作れるお弁当のおかずを教えてくれました。メインで使う食材は2つだけ!シンプルに旬の旨みを感じることができる“春色おかず”は、冷めてもおいしいので、お弁当だけでなく普段の食卓にもおすすめですよ。
※材料はすべて4人分。
季節の恵みたっぷり”春色”おかずをお弁当に
渡辺さんの料理は気取っていない。親しみやすく、なのに、新鮮な驚きがある。それは、知っているようで実は知らない素材本来の味に出合えるからかもしれない。
「色も美しく香りもよい食材がたくさん出てくる春から初夏は、お料理をする気分も華やぎます。卵も実は春の食べもの。いまはあまり旬を感じなくなってしまいましたが、鶏は春先においしい卵を産むそうです。
黄色い色も春らしいですよね。春の食材を扱うときは、食感のよさ、香りの華やかさなど、できるだけ素材のおいしさを引き出すように心がけています。食感の異なる素材を組み合わせたり、甘いものと酸っぱいものを掛け合わせれば、食感や味のバランスも楽しめますよ」
“お弁当を作る”と思うと、つい気を張りがちだが、渡辺さんは「食事の延長線上にあるもの」と、コツを教えてくれた。
「お弁当のためのおかずを作るというよりも、“普段通りのおかずをお弁当箱に詰める”のがいいなと思っています。
だから、お弁当だからといって、濃い味付けにしたりはしないし、お弁当用に少量作ったりもしません。
気をつけることはひとつ。できるだけ水気が出ないようにすること。傷みにくくするために、水分が出るものはよく絞ったり、汁気があるものはしっかり煮絡めたり。そうすることで味もぼやけません」
書斎にこもって原稿を書く日など、作業に集中したいときは、自宅でも自分用にお弁当を用意することも。
「ご飯作りをすると集中力が途切れてしまいますが、お弁当を用意しておけば、パッと食べられるのでありがたい。
ただ家の中で食べるだけなのですが、何気ない普段のご飯が箱に詰まっているだけで、なんだかちょっと気分が上がるから不思議です。ときには気分を変えて、自分のために、家族のために、この春はおうち弁当もぜひ作ってみて下さい」
セロリとたくあんのきんぴら
シャキシャキ×ポリッ!意外な組み合わせが絶品。
<材料>
セロリ(茎部分)…2本
セロリの葉…1/2本分
たくあん…90g
ごま油・みりん…各小さじ2
塩…小さじ1/4
白いりごま…適量
<作り方>
【1】セロリは筋を取り、長さを4~5等分に切り、それぞれ縦半分に切ってから薄切りにする。葉はざく切りにする。たくあんもセロリと同じ長さの細切りにする。
【2】フライパンにごま油を中火で熱し、セロリの茎をざっと炒める。しんなりしてきたら、たくあんと葉も入れて炒める。みりんを入れ、ざっと炒めたら塩を振って味を調える。
【3】器に盛り、白いりごまを指でひねり潰してから散らす。
手羽先と新じゃがの照り煮
皮ごとホクホク味わう新じゃがに、鶏の旨みがたっぷり!
<材料>
手羽先…8本
新じゃが…中3個
ごま油…大さじ1
みりん…大さじ2 2/3
しょうゆ…大さじ1 1/3
水…1/2カップ
芽ねぎ…適量
<作り方>
【1】手羽先は洗って水気を拭く。新じゃがは皮をよく洗い、4等分に切り、竹串がスッと通るまで下ゆでし、水気を切る。
【2】フライパンか鍋を中火で熱し、ごま油を加え、手羽先を焼き付ける。新じゃがを加えてみりんを入れて絡める。しょうゆを入れて絡めたら水を加え、弱めの中火で煮汁がほぼなくなるまで煮絡める。
【3】器に盛り、刻んだ芽ねぎをのせる。
さわらの竜田揚げ そら豆添え
ふわふわのさわらに山椒をピリッと。
<材料>
さわら…3切れ
みりん・しょうゆ…各大さじ1 1/2
そら豆…20粒
片栗粉・米油(またはサラダ油)
粗塩・粉山椒…各適量
すだち…1/2個
<作り方>
【1】さわらは3等分に切り、バットに並べ、みりんとしょうゆをかけ、冷蔵室で半日ほど漬ける。
【2】【1】の汁気を拭いて片栗粉を薄くまぶし、中温に熱した油で揚げる。
【3】ボウルに片栗粉大さじ1強(分量外)を入れ、薄皮をむいたそら豆を加えてまぶし、水小さじ1~2(分量外)を加えて全体に絡める。中温に熱した油で揚げる。さわらとそら豆に粗塩、粉山椒を好みで振り、すだちを添える。
春キャベツとパプリカの浅漬け
やわらかで甘み豊かな春キャベツをさっぱりと。
<材料>
春キャベツ…1/4個
パプリカ(赤・黄)…各1/2個
切り昆布…3g
塩・きび砂糖…各小さじ1/2
酢…大さじ2
<作り方>
【1】春キャベツはひと口大のざく切りにする。パプリカはヘタと種を取り、5mm幅の細切りにする。
【2】ボウルに【1】を入れ、塩を振ってなじませる。切り昆布、きび砂糖、酢を加えてラップを密着させ(ポリ袋に入れても◎)、冷蔵室で1時間以上なじませる。
教えてくれた人
料理家 渡辺有子さん
旬の素材を生かしたシンプルな料理に定評があり、センスのいいライフスタイルも人気。アトリエ『FOOD FOR THOUGHT』で料理教室やイベントを開催。食にまつわるアイテムを扱う同名のショップが東京・代々木上原、西荻窪に加え、千駄ヶ谷にオープン予定。4月に『&Premium』(マガジンハウス)での連載「渡辺有子の料理教室ノート」が書籍化予定。
撮影/宮濱祐美子
※女性セブン2021年4月22日号
https://josei7.com/
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