股関節のゆがみを簡単にチェックする方法|猫背タイプ?反り腰タイプ?
久々に身長を測ったら、若いころから縮んでいてショックを受ける経験はありませんか。「重力のせい」「年齢を重ねているから」「猫背だから」仕方がないことと、あきらめることはありません。股関節を締め直せば、身長がアップすることができるかもしれません。目線が変わると、気持ちも軽やかになりますよ!
股関節のゆがみ&ゆるみを簡単にチェック!
では、まず、実際に股関節のゆがみ、ゆるみをチェックしてみよう。
周囲に障害物がないところで、床にマスキングテープやセロハンテープなどで十字の印をつける。十字の中心に立ったら、目を閉じて、声に出して数えながらその場で50回足踏みをする。
足踏みし終わったとき、スタート地点の十字の中心から、自分の立っている位置がどうズレているかで、股関節のゆがみ具合がわかるというもの。
歩いているときに自分がどちらの方向にズレていくかがわかると、無意識に向きを修正してしまい、正しい結果が出ないので、印をつけるのは、踏んでも感触がわかりにくいものを使うのがポイントだ。
「スタート地点から右にズレていれば、左の股関節が硬いタイプ。左足に力が入りやすく、左の太ももが太くなりやすい。反対に、左にズレている人は、右の股関節が硬く、右の太ももが太くなります。左右どちらかの股関節が硬くなっている場合は、歩くたびに腰に力が入るため、骨盤もゆがみやすいのです」(整体師・南雅子さん・以下同)
股関節のゆがみ・ゆるみ診断結果
・スタート地点から後ろにズレている人→一見姿勢がよく見えるが、「反り腰」になりやすいタイプ。あごが上がっており、骨盤は前後どちらかに傾いている。
・スタート地点からまっすぐ前にズレる人→ 猫背タイプ。日本人に最も多い。首が前に出ていて、骨盤が前傾しているため、歩くときに腰と太ももを使いがち。それによって脚が太くなりやすい。
1日平均31kmも歩いていた江戸時代の歩き方に学ぶ
日本人に前傾タイプが多いのは、いすではなく床に座ることが多い生活習慣や、頭を下げるお辞儀の文化も影響していると考えられる。しかし、江戸時代や明治時代の日本人と比べると、現代の日本人の方がその割合は高いという。
「日本人が日常的に着物を着て生活していた頃は、いまの日本人とは歩き方が大きく異なりました。洋服を着ていると、足跡が一直線になるような、いわゆる“キャットウオーク”が美しいとされるのに対し、着物を着ていると、着物にしわが寄ったり、着崩れたりしないよう、左右それぞれの股関節、ひざ頭、つま先(特に足の薬指)が一直線になるように歩くのが普通です。この歩き方なら、股関節にかかる負担は最小限で済みます」
江戸時代の日本人は、女性や高齢者でも、平均して1日で約31kmも歩くことができたという。股関節の正しい位置をキープすることは、いくつになっても歩ける体をつくることにも役立つのだ。
股関節が正しい位置にあれば代謝アップも!
「くびれ母ちゃん」こと姿勢改善コアトレーナーのYumicoさんは、股関節が正しくはまっていれば、歩くときの消費カロリーも増やすことができる話す。
「股関節が正しい位置にあれば、お尻やお腹まわりなど、歩くときに本来使われるべき筋肉を正しく使うことができるようになるので、普通に生活しているだけでも下半身太りが改善するほか、下がっていた内臓が引き上げられてくびれができやすくなります。代謝が上がって消費カロリーもアップするので、股関節を締め直すだけで、高いダイエット効果が期待できます」
日本人は“猫背型”を正せば40代でも身長4cmアップ!
実際、股関節を締め直したことで、50代でもウエストが15cmも細くなったり、食事制限をしなくても17kgのダイエットに成功した人もいる。さらに、40代以上でも身長が2~3㎝伸びるケースも少なくない。
「背骨は合計33個の小さなブロックがつながってできています。股関節がゆがんで姿勢が悪いと、上半身の重みをうまく支えきれなくなって、背骨と背骨の間でクッションのような役割を果たしている『椎間板』という部分が押しつぶされるような形になり、身長が縮みます。同じような仕組みで、脚も短くなってしまいます。
股関節を正しく締め直して上半身をきちんと支えられるようになれば、33個の骨の間にある椎間板が整います。1つの背骨につき1mm伸びるだけでも、単純計算で3.2cmは伸びます。同時にO脚やX脚も改善するので、人によっては4cm以上身長が高くなることも珍しくありません」(南さん・以下同)
また、股関節は血流が滞りやすい場所のため、きちんと締め直すためのストレッチやトレーニングを行うと、一気に血流が改善し、冷え症の改善にもつながる。さらに、股関節と骨盤に負担がかかりにくくなることで、肺が圧迫されなくなり、これによってストレスの解消にも効果が期待できる。
「肺が充分な酸素を取り込めるようになると、全身の細胞に酸素と栄養素が届けられます。すると、自律神経が整って、間接的に、ストレスによるイライラや倦怠感、眠気や抑うつ感も改善します」
教えてくれた人
カイロプラクティック・整体師 南雅子さん
整体エステ「GAIA(ガイア)」主宰。『死ぬまで歩くには1日1分股関節を鍛えなさい』(SBクリエイティブ)など、著書多数。
姿勢改善コアトレーナー Yumicoさん
現在オンラインレッスンも行う「YumiCoreBody」代表。『くびれ母ちゃんの骨からボディメイク 3DX BODY』(ワニブックス)など著書多数。
※女性セブン2021年4月1日号
https://josei7.com/