充実した介護体制を備えるサービス付き高齢者向け住宅<前編>
評判の高い高齢者施設や老人ホームなど、カテゴリーを問わず高齢者向けの住宅全般を幅広くピックアップし、実際に訪問して詳細にレポートしている「注目施設ウォッチング」シリーズ。
今回紹介するのは、中野区にあるサービス付き高齢者向け住宅「かがやきの季(とき) 中野南台」だ。
かがやきの季 中野南台
「株式会社大京」が事業主・貸主のサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)、「かがやきの季(とき) 中野南台」。ここはもともと大京の社員寮として使っていた建物を改修したものだ。同社は今年の4月1日から運営会社を「株式会社ツクイ」に変更し、夜間帯や看取りの対応を可能にするなど介護体制の充実を図った。背景には入居者や入居希望者の介護ニーズの高まりがあったという。
ここ、かがやきの季 中野南台から始まった大京グループのサービス付き高齢者向け住宅事業は、「あらゆるライフステージに応える住まいとサービスを提供し、住文化の未来を創造する」という経営理念に基づいている。都市部の単身高齢者世帯が増加する中、利便性の高い立地環境と必要なものだけを選択できる介護サービスが特徴である「かがやきの季」シリーズは東京都中野区における最初のサ高住でもある。
都市部におけるサ高住のメリット
大京は「都市部の高齢者に新しい暮らしを提供したい」という思いから、ツクイとタッグを組んだという。ツクイは介護保険制度開始前の1983年から介護事業を行っており、現在では全国47都道府県、約600事業所で介護事業を展開している。役員や本部の社員も介護現場を経験している、業界では信頼の厚い事業者だ。
今回案内をしてくれたのは、4月からここで入居者の対応にあたっているツクイの石野美代子さん。介護付き有料老人ホームの施設長を6年間務めた経験のある石野さんは、サ高住にはメリットがあると話す。
「サ高住の良さは、お客さまが暮らし方を選択できることです。サ高住はあくまでもご自宅で暮らしているのと同じ感覚で過ごせます。そして、困った時や人恋しい時にも人がいます。お客さまのお顔を見れば、『今日は調子が悪そうだな、元気がないな』ということにこちらが気づき、お声をかけることができます。一人暮らしでデイサービスや訪問介護サービスを使っている状況と比べて、変化に気づける人が常にいることは心強いと思います」(株式会社ツクイ東日本第一推進本部東京第一圏本部長の石野美代子さん。以下「」は同)
充実したサービスの中から必要なものを自由に選択
ツクイが提供するサービスを具体的に見ていくと、その充実ぶりが分かる。
まずは生活支援基本サービス。これはサ高住の要件になっている「安否確認」、「生活相談」、「緊急時対応」に基づいたものだ。健康カードを作成し、一人ひとりの状況を把握したうえで、生活上発生する様々な取り次ぎや手配事、日常生活の手伝いをしてくれる。これらは、生活支援サービス計画書を作成したうえで実施されるという。イベントやレクリエーションもここに入る。
次に、介護保険を使った介護サービスがある。これはケアマネジャーが提案したケアプランに基づいて提供され、訪問介護、訪問入浴、デイサービス、福祉用具の貸与など必要なものを選んで利用するものだ。サ高住全体でサービスが決まっているのではなく、自宅で暮らしている時と同じように一人ひとりにあった内容をケアマネジャーと一緒に決めていく。